経済発展しても中国はやっぱり中国 | 上下左右

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台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

無印良品が中国で敗訴しました。
『無印良品』のロゴを使ったら中国企業に商標登録違反であると訴えられ、裁判をしていた件です。
中国 「無印良品」の商標裁判 「良品計画」が地元企業に敗訴

こういうニュースを見ると、どれだけ技術や経済が発展しても中国という国の仕組みは変わってないということがしみじみ感じられますね。
これで日本の無印良品(企業名:株式会社良品計画)は中国の無印良品(企業名:北京棉田紡績品有限公司)に1000万円の損害賠償金の支払いを強いられ、なおかつ一部の商品については『無印良品』のブランド名を使えなくなりました。
一部で毒素条項扱いされている、TPP等に組み入れられているISDSはこういうときに『自国企業への不当な優遇措置だ』と相手政府(今回のケースでは中国政府)を訴え、損害金と逸失利益を求めるためにあるものです。して「自分達にとって都合が悪いから法律を変えさせる」「儲からないから訴える」というものではありません
そもそもISDSだろうが何だろうが、協定発効前から存在している制度に対して新たに締結した協定が影響を及ぼすことはできないと条約法に関するウィーン条約第28条に定められております(新たな協定によって当該制度が変更されることが明白な場合を除く)ので、例えばTPPのISDSによって公的医療保険を変更させたい場合は、TPPの条文に公的医療保険制度が変更されることが明記されていなければならないわけです。
遺伝子組み換え作物も公共事業への参入も日本語の禁止(笑)も全て同じです。

今検討が進められている日中韓FTAに仮にISDSが組み入れられていて、その発効後に今回の中国の判決が出ていれば、間違いなく提訴の対象になったでしょうね。

こうしたカントリーリスクを避けるためにはISDSが必要だったなと、非常に分かりやすく伝わる一件でした。