こんな経験はありませんか?
スミスのオリジナル・メーターをマウントするネジにM5やM6のナットが使えた。
僕は乗り始めのころ、M6 X ピッチ1.0のナットがメーターのマウントに入ったので、もともと付いていた汚いナットを捨て、
ミリなんだ!ラッキー!と締め付けてしまいました。
間違いです。
メーターを分解して生えているネジをメトリックに交換している場合もありえますが、ほとんど無い事だと思います。
では、そのネジは何だったのでしょう?
BA(British Association)と言うイギリスの規格でした。
0BA(外径6.00mm.)
から始まり
1BA(5.30mm.)
2BA(4.70mm.)
3BA...
4BA...
と頭の数字が大きくなるほどネジ外径が小さくなる。
英車では主に電装品や装飾品に使用されている小ネジの規格。
M6のナットが入ったネジはBA規格の0BAネジだったのです。
簡単に見てみます。
M6
ネジ外径 6.00mm. X ピッチ 1.0mm.
0BA
ネジ外径 6.00mm. X ピッチ 1.0mm.
外径とピッチは同じです。
でも違うんです…ネジ山の角度が。
ISOメトリックは60度
BAは47.5度
47.5度のネジに60度のナットを入れる。
ネジ外径とピッチが合っているので、なんとなく手締めでスルスルと回る。
しかし、ネジとナットの角度が極端に合っていないので、ネジの谷と山が噛み合わず、最後にギュッと締め付けた時に山が崩れる。
(*BSWとUNCの5度違いについては勉強不足なので、今回はスルーします)
まあ、余程強い力で締めなければ、即ダメになるなんて事はないと思います。
僕のメーターも壊れてはいませんでした。
でも、ネジかナットが磨耗して痩せていたら?何回も脱着を繰り返したら?
適切な物を使用していないと確実に寿命は短くなると思います。
2組のスクリューとナットがあります。
問題がないように思えます。
しかし、ネジ角度が違うので締め付けた時に問題が出てしまいます。
次に2BA
外径4.7mm.
コレにM5の蝶ナットを入れてみます。
続いてM5に2BAのナットを入れてみます。
なせでしょうか?
M5はネジ外径5.00mm. X ピッチ0.8
2BAはネジ外径4.70mm. X ピッチ0.81
2BAはネジ外径4.70mm. X ピッチ0.81
M5よりネジ径が小さい2BAのナットはM5に入りませんが、2BAのネジにM5のナットは外径が大きくピッチが近いので入ってしまいます。
2BAにM5のナットが入ったという状況です。
0BA / M6と違い、ネジ角度以外に外径もピッチも違うのでダメージは更に大きいと思います。
メトリックとBA…注意事項ですね。
以上、いつもと違う感じでした。
オートバイ弄りを趣味とする人の中にネジの話をすると極端に嫌がる人が居ますが、少しでも触るなら絶対に必要な知識だと思います。
単一車種に十数種類とネジ規格が存在するわけではありません。
これは国産でも外車でも一緒ではないでしょうか?
エラソーな事を吐きましたが、僕は大して分かっていませんし、この記事のような間違いや勘違いを沢山起こしていて、完璧なんて程遠く、基礎すらも怪しいです。
しかし、好きな物に歩み寄る。ということをやめてはいけないと思っています。
それは外面的なことではなく内面的なことです。
知っていなければならないことは勉強する。
色々な人の話を聞いて、自分で調べて、間違っていたり勘違いしていたことは認める。
良いことは取り入れて悪いことは捨てる。
全ては無理ですが、少しずつ少しずつ、今までより良くなるよう頑張りましょう。




