中央競馬の上半期を締めくくる春のグランプリ「宝塚記念」が「阪神競馬場」で行われた。
昨年は「新型コロナウイルス」の影響で「無観客」で行われたが今年は2年ぶりに観客が戻って来た。
昨年は2007年以来となるフルゲートの18頭が出走したが今年は13頭立てと再びフルゲート割れとなった。
人気はファン投票1位に推され、2013年&2014年の「ゴールドシップ」以来となる連覇を狙う「クロノジェネシス」が単勝1.8倍の1番人気に。
対抗するのがデビューから無傷の6連勝で「大阪杯」を制し、G1連勝&無傷の7連勝を狙う「レイパパレ」が2番人気に。
前走「天皇賞春」の3着から悲願のG1初制覇を狙う「カレンブーケドール」が3番人気に推され、上位人気は牝馬が独占した。
単勝10倍未満は計4頭で10倍以上20倍未満は1頭となった。
上半期最後の中央競馬。
果たして、春のグランプリの栄冠に輝くのはどの馬か?
スタートで「キセキ」が少し外に寄れる形となったが特に大きな出遅れは無かった。
最内から「ユニコーンライオン」がハナを切り、2番人気の「レイパパレ」が若干行きたがるところを押さえられて2番手で追走、3馬身離れた3、4番手に1番人気の「クロノジェネシス」、外から「キセキ」が追い上げて好位に付け、「ワイプティアーズ」が内の先団、1馬身離れて3番人気の「カレンブーケドール」と「アリストテレス」、「シロニイ」が並んで先団の後ろ、直後に「モズベッロ」、そこから4馬身離れて「メロディーレーン」、「アドマイヤアルバ」、2馬身離れて「ミスマンマミーア」、更に2馬身離れた最後方「カデナ」という隊列になった。
前半1000m通過は60秒0でスローペースに持ち込んだ。
逃げる「ユニコーンライオン」のリードは2馬身程で2番手に「レイパパレ」と「キセキ」がぴったりとマーク、その後ろの馬群も密集した。
3コーナーを過ぎて「ユニコーンライオン」のリードは1馬身程で「レイパパレ」が単独2番手、「クロノジェネシス」は好位で手応えよく追走、その後ろは「モズベッロ」や「アリストテレス」が付けた。
4コーナーに入り、逃げる「ユニコーンライオン」に「レイパパレ」と「キセキ」が外から馬体を併せ、その直後に「クロノジェネシス」が迫って最後の直線に入った。
逃げる「ユニコーンライオン」のリードは半馬身程で「キセキ」の脚色は鈍くなり、「レイパパレ」が先頭を伺い、「ユニコーンライオン」との叩き合いに持ち込んだ。
すると「クロノジェネシス」が馬場の3分どころから末脚を伸ばして坂を駆け上がると「ユニコーンライオン」と「レイパパレ」を交わして先頭に立つと後は後続を突き放してそのまま先頭でゴールイン!。2着馬に2馬身半差の圧勝だった。
これで昨年の「有馬記念」に続いてG1·4勝目、重賞6勝目。
2013年、2014年の「ゴールドシップ」に続いて史上2頭目の同レース連覇達成。
更に「スピードシンボリ」(1969年、1970年の有馬記念、1970年の宝塚記念)、「グラスワンダー」(1998年、1999年の有馬記念、1999年の宝塚記念)に続いて史上3頭目、牝馬としては史上初のグランプリ3連覇も達成。
獲得賞金も10億円を突破し、牝馬では「ウオッカ」、「ブエナビスタ」、「ジェンティルドンナ」、「アーモンドアイ」に次いで5頭目の大台到達となった。
2019年の「リスグラシュー」から3年連続で牝馬が制した。
生産の「ノーザンファーム」は同レース7連覇となった。
鞍上の「クリストフ・ルメール」騎手は同レース初制覇。
G1は今年の「ヴィクトリアマイル」の「グランアレグリア」に次いで今年4勝目、通算39勝目とした。
管理する「栗東」の「斉藤崇史」調教師は同馬で同レース2連覇。
G1は同馬で昨年の「有馬記念」に続いて通算5勝目とした。
2着に「ユニコーンライオン」(7番人気、牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)、3着に「レイパパレ」(2番人気、牝4歳、栗東・高野友和厩舎)でデビューからの連勝が「6」でストップした。
一方で「カレンブーケドール」(3番人気、牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)は4着、昨年2着の「キセキ」(5番人気、牡6歳、栗東・辻野泰之厩舎)は5着、同じく3着の「モズベッロ」(6番人気、牡5歳、栗東・森田直行厩舎)は6着にそれぞれ敗れた。
結果はこちら。
今年の「宝塚記念」の馬券の売得金(売上げ)は223億8317万1000円(前年比109.7%)を記録。
昨年の約203.9億円から約20億円のアップとなった。
今週で中央競馬の上半期は全日程が終了、春のG1シリーズもこれにて閉幕と成った。
来週から7月に入り、夏競馬が本格スタートする。
しかし、地方競馬では統一G1レースがまだ残っている。
6月30日(水)の夏のダート頂上決戦「帝王賞」、7月14日(水)の3歳ダート頂上決戦「ジャパンダートダービー」が「大井競馬場」で行われる。
勝負はまだ終わらないのだ。