続き


さて、EWI3000の登場です。
T-SQUAREでは1991年から本格的に使われるようになります。
本田さんはT-SQUARE在籍中はEWI3000のコントローラーをメインとして使っていたと思われます。

〈引用〉https://www.ishibashi.co.jp/akai/ewi/

ちなみにこの頃、Truthが本田さんのソプラノサックスによって「Truth 1991」として再レコーディングされました。

これは幼い頃から父によく聴かされました。

Bメロとソプラノサックスの相性が抜群!


話をEWIに戻しましょう。

EWI3000の音源はEWI3000mというものでした。

1991年の演奏です。伊東さんとは全然違うスタイルで新鮮!

これまた独特な音色をしてますね。

1992年まで割とこんな感じの音色です。

↑この時の本田さんが1番クネクネしてる。

1993年でも音源は恐らくEWI3000mが使われています。この頃の音色には賛否両論ありそうなイメージです。

このメドレーすごいことになってておもしろいですよ。

そして1994年にはEWI3020というEWI3000の後継機種が発売されます。



〈引用〉https://www.ishibashi.co.jp/akai/ewi/

1994年から本田さんはコントローラーはEWI3000のまま、音源はEWI3020mに移行したと思われます。

これがまたすごくかっこいい音なんです!!

1994年以降は特に音色に目立った変化はなく、定着していった印象です。

↑1995年の演奏。曲がいいのはもちろん後半のEWIソロが天才的にかっこよくて楽しいのでぜひ聴いてね。

↑1996年の演奏。本田さんの宝島はレア。

↑1997年の演奏。これはたぶんコントローラーがEWI3020になってます。本田さんとんでもないソロ吹いてます。

↑1998年の演奏。このOmens of Love最高です。ギターソロの後半でハモり始めたのは本田さんが最初です。エンディング辺りは吹奏楽版のものを逆輸入しています。

EWI3020は長年にわたってT-SQUAREで使われるようになります。

本田雅人さんの後任の宮崎隆睦さんもT-SQUAREではEWI3020を使用されていました。

宮崎さんは在籍期間が短かったので、これはなかなかレアな映像です。もっと宮崎隆睦スクエアを見たかった!!

電子楽器でありながら、EWIは演奏する人の息の入れ方や好みによって出る音が全く異なります。それがわかる映像がこちら!

T-SQUARE20周年記念ライブの映像。すごい、、、

恐らく全員EWI3020を使っています。

そしてなんやかんやあって2000年にT-SQUAREに伊東たけしさんが帰ってきます。

2000年〜2005年あたりまで伊東さんのEWI3020が活躍します。ちなみに年々音が太くなっていく現象がまた起こっています。

2006年頃からはついにEWI3020の後継機種が現れます。


それがEWI4000sです。


コントローラーに音源が内蔵されるようになり、これ1本でアンプに繋げば音が出るようになりました。また、音源はアナログ音源をモデリングしたデジタル音源となりました。デジタル音源になったことで、それまでのウィンドシンセより音が薄くなったと言われがちです。
しかし音色編集ソフトを使えば太い音を作り出すことも可能です。

T-SQUAREによる国歌演奏。発売されたばかりのEWI4000sによる演奏です。

↑2013年の35周年記念ライブの映像。伊東たけしさんと宮崎隆睦さんがEWI4000sを吹いています。

伊東さんはT-SQUAREでEWI4000sを2006年〜2014年まで使用。2014年にはEWI5000というEWIが発売されました。しかし2015年からはなんと、EWI1000をメインとして2023年の現在に至るまで使用されています。1988年〜1990年の頃とは違い、優しく温もりのある音を奏でられている印象です。

というのが、T-SQUAREにおけるウィンドシンセサイザーの歴史です。


〈ウィンドシンセについて〉

ぼくはEWI4000swという機種のEWIを持っています。

これはEWI4000sの白色バージョンで宮崎隆睦さんによって作られた音色が追加されたものです。ぼくはT-SQUAREに憧れて高校生の頃にEWIを購入しました。その頃ウィンドシンセ界隈は、EWI5000やRolandのAerophoneが発売され注目を浴びていました。EWI5000の後継機種としてEWIsoloというものも発売されました。

〈引用〉http://ewi.akai-pro.jp/ewi5000/

〈引用〉http://ewi.akai-pro.jp/ewi-solo/

引用〉https://www.roland.com/jp/products/aerophone_ae-10/

これらは様々な管楽器などの音が出る!というのが売りです。ウィンドシンセがわからない方もエアロフォンなどはご存知かもしれません。

しかしぼくはEWI4000にこだわりを持っています。なぜなら、EWI4000まではウィンドシンセサイザーという1つの楽器として成り立っていると感じているからです!(本当は1000とか3000とかほしい。)

これから述べるのは素人の個人の意見です。

実際にEWI5000やエアロフォンを試奏した時に、今鳴っている音は何の楽器の音なのか、言われてみないとわかりませんでした。色んな楽器の音が出ると言われても、なんとなくそれっぽいかな、、、?という音が出るだけでどう頑張っても結局生楽器には勝てません。ウィンドシンセは色んなシンセサイザーの音が出せるからウィンドシンセという楽器として成り立つのです。最近ではEWI4000sも生産を終了し、サックスの音が出るウィンドシンセなどが注目されています。しかしそのようなウィンドシンセは、1つの楽器として確立されなかったちょっと質の良いおもちゃでしかないと感じます。この点が、T-SQUAREでもEWI5000やEWIsoloがEWI4000sの後継機種となり得なかった理由だと考えます。

これはエアロフォンを吹く伊東さん。

〈引用〉https://saxophoneworld.com/feature/takeshi_ito_aerophone-pro


つづく、、、