WHOOP HOOPの話その21 トクダ
「私にとってとても不幸なことなのは 昔とても幸せだったことでしょう」
10年前のボクは小説でも書こうと思い、パソコンに言葉を打ち込んでいっております。
外はじとじとと暑く、蝉の声が不協和音をわざと鳴らしているかのようにとても不快な日でした。
ボクは、クーラーを18度に設定して、クリスマスツリーを出し、体に冬を思い出させようとします。
トレーナーをまとってみても、トレーナーからは冬のニオイどころかムシムシした生ぬるい温度と埃が充満していて、とても着てはいられません。
結局Tシャツのまま作業に入ります。
以下、メモです。
…主人公の女性は、大学を出たばかりの23~25歳の社会人女性。
会社勤めは、理不尽なことの連続で、唯一の支えは恋である。
しかし、人は、何かに依存してしまうと求めるものが多くなり、いろんなところに支障が出てくる。
やがて彼からは、別れを告げられすべてを失ってしまう…
物語はそこから始まりますが、作品の内容はとてもコミカルなものになっていきます。
…大失恋の主人公は、街をさまよう。
お店や路地になくした彼との影を追いながら。
行きつけだったカフェにいこうと路地裏に入るとそこは古着屋になっており、主人公を落胆させる。
しかし、主人公はそのお店でお気に入りのコートを見つけ、衝動買いをする。
帰宅後、買ったコートのポケットの中から、古ぼけたライターが出てくる。
何気にライターの火を付けてみる。
すると「熱い!」と声をあげて、頭にネクタイを巻いた2次会仕様の妖精が出てくる。
行動も出で立ちもほとんどリアクション芸人のような妖精は、お尻がまるコゲになっている。
妖精は「妖精なので全裸です。酔っぱらっているわけでも、露出狂なわけでもありません」そう言ったあと、お約束のように「3つの願いを叶えてあげましょう」という展開になり、主人公の女性は、その願いを使って失った過去を取り戻そうと計画していく…
結局、この小説は書かず、メモの構成だけが残りました。
考えることが楽しいだけで、実際文章を書いていこうと思ったら面倒くさくなったんですね。

(デビュー後の冬色ガールのシングルジャケットに何気にこの妖精は入っております)
「私にとってとても不幸なことなのは 昔とても幸せだったことでしょう」
小説を書くつもりで打ち込んだこのフレーズは、いつの間にかスムルースの名曲「冬色ガール」へと変わっていきます。
やっぱりボク向きの制作は小説じゃなく曲作りなんですね。
というわけで、この曲が生まれまして、「しとやかイオン」が全国に流通していきます。
次回は「しとやかイオン」リリース後、スムルースがどうなっていったかの話にしたいと思います。
「WHOOP HOOP」発売まであと11日!