代表猫会議 テツロウ
夜の公園を通りかかったら、猫が5匹ほどきれいに並んで座っていた。
ふつう、野良猫がたくさん集まれば多かれ少なかれ親戚の寄り合い状態になり、似たような柄や猫種がちらほら見受けられてしかるべきなのだけれど、それがこのときはみなうまい具合に違っていて、茶トラ、ブチ、黒、白黒、それにシャム猫までおり、平凡な公園のその一角だけがなんとも不思議な空気に満ちていた。まるで「俺はブチ猫代表のブチ夫だ」とか、「あたしは黒 猫代表のミーコよ」とか、「外国猫代表のシャムリーナざます」とかいうふうに町内の各代表が集結して、一般庶猫では立ち入ることのできないような重大な会議を行っているような、そんな風情なのでした。
これはいいものを見たなとほくほくしながら通りすぎようと思ったら、公園内のまたべつの場所にもう一匹、白猫がいた。近寄って見てみると、さきほどの猫たちがみなきりりと背筋をのばして座っていたのに対し、この白猫は心底だるそうにしてでろりと寝そべっている。ためしに僕は、
「おまえはもしかして、この町内の白猫代表ではないのか。会議はもうあっちで始まっている。こんなところでごろごろしていてよいのか」と話かけてみたけれど、めんどうくさそうな目でこちらを見るばかりでいっこうに会議に向かう様子はない。なるほど、猫の世界にもサボりはあるのか。
これはますますいいものを見たなとぽくぽくしながら、僕はふたたび家路についたのでした。
ふつう、野良猫がたくさん集まれば多かれ少なかれ親戚の寄り合い状態になり、似たような柄や猫種がちらほら見受けられてしかるべきなのだけれど、それがこのときはみなうまい具合に違っていて、茶トラ、ブチ、黒、白黒、それにシャム猫までおり、平凡な公園のその一角だけがなんとも不思議な空気に満ちていた。まるで「俺はブチ猫代表のブチ夫だ」とか、「あたしは黒 猫代表のミーコよ」とか、「外国猫代表のシャムリーナざます」とかいうふうに町内の各代表が集結して、一般庶猫では立ち入ることのできないような重大な会議を行っているような、そんな風情なのでした。
これはいいものを見たなとほくほくしながら通りすぎようと思ったら、公園内のまたべつの場所にもう一匹、白猫がいた。近寄って見てみると、さきほどの猫たちがみなきりりと背筋をのばして座っていたのに対し、この白猫は心底だるそうにしてでろりと寝そべっている。ためしに僕は、
「おまえはもしかして、この町内の白猫代表ではないのか。会議はもうあっちで始まっている。こんなところでごろごろしていてよいのか」と話かけてみたけれど、めんどうくさそうな目でこちらを見るばかりでいっこうに会議に向かう様子はない。なるほど、猫の世界にもサボりはあるのか。
これはますますいいものを見たなとぽくぽくしながら、僕はふたたび家路についたのでした。