てぬぐいくらげ テツロウ | スムルース オフィシャルブログ Powered by Ameba

てぬぐいくらげ テツロウ

湯舟につかってぼんやりしていたら、ふとてぬぐいくらげのことを思い出しました。てぬぐいくらげとは、湯舟のお湯とその水面を利用しててぬぐいでくらげをつくるというお風呂遊びのひとつです。
まずはてぬぐいをお湯のなかに完全にひたして、まんべんなくぬらす。つぎに、てぬぐいを漂わすようにして水面に広げる。両手の指先を使って水面下からてぬぐいを持ち上げる。そうやっててぬぐいをいったん水面から離したら、すぐにまた水面に落とす。するとてぬぐいと水面のあいだに空気が入り込んで、てぬぐいの真ん中あたりがドーム状にふくらむ。その空気を逃がさないように、てるてる坊主の要領でてぬぐいのまわりの部分をまとめて握っておく。
これで完成です。
指でつついてみるとぷにぷにとした独特の感触が楽しめます。ちょっと不思議な感じがするけれど、いったん完成してしまえば湯舟から出してもくらげはなくならないので、つつくだけじゃなくてほおずりをしてみたり、意味もなくかかげてみたりと楽しみ方はいろいろです。逆にざぷんと湯舟のなかに入れてしまって、くらげの皮膚(?)から細かい泡がさらさらと発生する様子を愛でたり、意外と力強いその浮力を感じてみたりするのもまた乙です。
そうやって存分に楽しんだら、最後にくらげを握りつぶして遊びは終了です。この瞬間がてぬぐいくらげの一番の醍醐味です。お湯の中でつぶすのと外でつぶすのとではまた味わいが違います。
子供のころはしょっちゅうやっていたことなのに、おそらく20年間はすっかり忘れていた遊びでした。
思い出して、さっそくお風呂場にあったてぬぐいでやってみたのだけれどうまくいきませんでした。どうやらナイロンのてぬぐいや繊維の目の大きいてぬぐいでは空気がたまらないので出来ないようでした。そこで脱衣所の棚に置いてあったフェイスタオルを持ってきてやってみると、今度はうまくいきました。
僕とてぬぐいくらげとの、およそ20年ぶりの感動の再会でした。そして存分に楽しんだのち、握りつぶしました。さようなら。また明日のお風呂で会おう。そしてまた握りつぶそう。そしてまた明後日のお風呂で会おう。


<注意>
銭湯などではてぬぐいを湯舟につけるのはやめましょう。