欲するのだ、全力で テツロウ | スムルース オフィシャルブログ Powered by Ameba

欲するのだ、全力で テツロウ

ホームセンターに行ってあれこれ物色していたら、そばでちょこまかしていた子供がすこし離れたところにいる母親に向かって「お母さん、これ買って」とでかい声で叫びだしたので、ああ、危険だな、子供がおもちゃやお菓子をねだるやりとりは危険だな、母親が「ダメです」といったらとくに危険だな、それで子供が泣き出したら完全に危険だな、母親はすんなり買ってやればいいのにな、いいな、いいな、いいのにな、そうね、そうだよ、おもちゃくらい、そうさ、そうだぜ、お菓子くらい、甘やかすのは悪いことじゃないんだよ、若いうちは好きなようにさせておけばいいんだよ、などと憂慮のついでに無責任なしつけ論にまで思いをめぐらせていると、子供の叫びを聞きつけてやってきた母親が、いったい、今日のあまりの陽気にやられてどうにかなってしまったのか、叱るでもなく、甘やかすでもなく、予想外にも笑い出したので、いったいなにごとかと目をやると、子供が高々と掲げて母親に突きつけていたのは、花粉症用のマスクだった。

「それはうち(家)にあるやない」と、子供のまさかの要求に笑いながら諭す母親に、「ほんなら、うちの全部なくなったらこれ買ってな」と、子供は譲歩の意をしめしながらもそのじつ自らの要求を押しとおし、あくまで、マスクを欲するのだ、全力で。

そうだ。欲するのだ、全力で。僕も欲するのだ、全力で。あれを。なにを。あれを。なにかを。

ありがとう、子供。