昨日、僕は初めて感動に打ち震えるということを知った テツロウ | スムルース オフィシャルブログ Powered by Ameba

昨日、僕は初めて感動に打ち震えるということを知った テツロウ

バート・バカラックが東京・神奈川・大阪公演のために来日しており、そして昨日がファイナルの大阪公演であること知りました、昨日。当然ながらチケット販売は終了しておりました、一昨日。ああ、なんでもっとはやくに情報を得られなかったのだ、僕のアホボケカスナス。

どうしてもあきらめきれないので期待せずに調べてみたら、幸運にも当日券があるという情報を得ることができました。僕は意を決して行くことにしました。

なぜ意を決する必要があったかというと、チケット代が前売りで1万円もしたからです。当日券になるとさらに値が上がって1万2千円です。予定外の出費としては、なかなか咄嗟に決断できない額です。そもそも僕は“音楽を聴く”ということに対してそれだけの金額を払ったことがなかったのです。けれど今回が11年ぶりの来日ということ、彼が今年で80歳であることなどを考えると、これは観ておかないと絶対に後悔することになると確信したのです。数年前にポール・マッカートニーが来日公演をしたとき、行こうかどうしようかとずっとモヤモヤしながら結局行かず、果てに後悔の日々を送っているこの失敗を繰り返してはいけないと思ったのでした。

バカラックは基本的にソングライター・アレンジャー・プロデューサーであってシンガーではないので、もしかしたら名前を聞いてもピンとこないひともいるかもしれないけれど、とくに60~70年代のアメリカにおいてじつに数多くの名曲、ヒットナンバーを生みだしたひとです。

そのなかで「雨にぬれても」は僕がこの世でもっとも愛する曲(のうちのひとつ)です。いろんなところでカバーされているけれど、やっぱりオリジナルのB・J・トーマスの唄によるものが最高です。聴くと涙が出ます。出なくても、出そうになります。曲の最後の最後、唄が終わってからの後奏は世界のポップ史上もっとも優れたアレンジ(のうちのひとつ)と思います。

“もっとも”と言いながら“(のうちのひとつ)”などと曖昧な表現ばかりですみません。正確に表現しようとすると、そういうふうにしか言えないのです。

そして、コンサートは素晴らしかった。

アンコールの「世界は愛を求めている」の途中、まったくなんの前触れもなく僕の感情と肉体が僕の意識から離脱して、僕は空っぽになり、ただそこにある感動に打ち震え、二度目のアンコールの「雨にぬれても」の最後の最後、あの世界一の後奏のなかで、とめどなく流れる涙をそのままにスタンディングオベーションをしていたあの時間を、僕は一生忘れない。

僕のこれまでの人生において、もっとも素晴らしいコンサート体験でした。これは“のうちのひとつ”ではありません。正真正銘の“もっとも”です。