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男運のなさが半端ナイ

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私はみずきさんの何も知らない。


『みずき』という名前が姓なのかも名なのかも。水木とか水城とかいうような苗字なのか、瑞樹とか瑞貴とかいうようなファーストネームなのか、それすら知らない。


何歳なのかも。独身なのか既婚なのかも。




「6年くらい彼女いない」とみずきさんは聞いてもいないのに言っていたけど。


じゃあどうして夜中にわざわざ身内の経営してるっていうこのホテルからタクシーで家に帰るの?


とは聞けなくて。




何も、知らない。


何でも、聞けば答えてくれたのかもしれないけれど。


何も、聞けなかった。





「海さんぶっちゃけみずきさんと付き合ってるんですか?」と、


『らっく』の従業員の有里ちゃんが二度目に聞いてきたのは

みずきっさんが席を外したタイミングを狙ってだった。



「え、一昨日来てた子がみずきさんの彼女でしょ?」


とかカマかけてみようかと思ったけど。



なんとなく、みずきさんを裏切るような気がして言えなかった。





会いたいとか、もっと一緒にいたかったとか。

言えなかったけど思ってたよ、またね、みずきさん。





「普通にバイバイしよ?」


また明日も会えるみたいに普通に。


サヨナラじゃなくて、


「いってらっしゃい」






ねえ、私もちゃんと笑えてたよね?