人生迷子になったのはいつからだか。
好きなもの、車とバイクとレトロ。
目指していたのは、技術者。
車の開発者になりたかった。
でも身体がぶっ壊れ続けた。ヘルニア、胃腸炎、視力低下。仲間が辞めていくのも見ていられなかった。
違う場所へ事務をやった。PCはもともとできるほう。しかし待ち受けていたのは新人いびり。
「何をしたかったんだろう」と考えてから
殻に籠ってしまった。
「好きなものは何だっけ」
「何のためにしたかったんだっけ」
「私はなんだっけ」
と思ってたらメンタルが崩壊しました。
約1年、考え続けた。最初はやる気ゼロ。もはやベッドから出ない。
3か月くらい過ぎたころ、職場の仲が良かった人が急に亡くなった。お世話になった人だった故、ショックが大きく…
半年くらい過ぎたころ、やっと何がしたいのか、何をするべきか、今後…「仕事」をどうするのか、考え始めた。
車は見たくない。乗りたくない。あんなに好きだったのに。
そうだ、自分を見返そうと思って見始めたのは卒業アルバム。
見返して、見返して、本棚の奥にそっとあったらくがきの紙の束を見つける。
「卒業アルバム、小学校中学校は観光…」小さく技術者と書いてあった。
大量に見つかったらくがきやPCの中にあった10年以上前のイラスト。
そして本棚のど真ん中に置かれていた、大事にしていた3冊の本がある。
「太陽の塔からのメッセージ」
「愛・地球博の記録」
「’85つくば 芙蓉ロボットシアター出展の記録」
これは…と色々思い出した。
そうか…忘れていたけど、絵が描けたんだ。
忘れてたけど、旅行とか、観光、好きだった。
忘れてた、小学生の頃から博覧会が大好きだったこと。
忘れていた記憶を頼りに、イラストを描き始める。
眠っていた15年前の板タブ。忘れられていたソフト。年季の入ったシャーペン、そして新たな紙に描いていく。
思いつく限りの好きなキャラクターたちを描いていく。
SNSにも投稿し始める。ぽつぽつといいねが増えていく。
忘れていた「創作」の世界がまた、開かれた。
同時期に博覧会の資料を集め始める。
オークションで100円だった銅板レリーフを落札したのをきっかけにどんどん集まっていった。
忘れ去られた地元の地方博覧会。譲り受けた資料やグッズに目を通し、「こんなに凄いイベントだったのか」と感心した。
これを観光資源に出来ないかな、と思った矢先に思いついたのが
「地方創生」
調べていくうちに出てきたのが「Webデザイン」
これらを組み合わせて…仕事にしたらどうか?
うまくいくか分からない。ただコロナで景気の谷にいた地元を見てきた。自分も谷にいた。
とりあえず始めたクラウドワークスにココナラ。
名刺入力作業から始まり画像編集、イラスト練習、少しずつ。
少しずつ、見えてきたかもしれない。
まるで今まで蓋をしていたものを一気に解放したかのように、うまくいくか不安だけど、一人の挑戦だけど
やってみる価値はある。
7月。クラウドワークスで引き受けた数10円のWebデザイン講座のモニター。
8月。無料体験レッスン、1か月。SNSで活動を発信するようになる。半分が過ぎた。
三十路手前、28歳になったばかり。
生きがいを探して新境地に降り立った瞬間だった。









