神さまを無いものとして生きていた頃

今の私とは違う人間を生きていた



顔は、悪魔のよう

身体は、しかばねのよう

心は、欲望の塊だった



目は2つくっついているのに、前が見えず

鼻は真ん中にあるのに、呼気を難し

口からは、でまかせばかりだった



そんな "私" という魂を、包むように神さまは在った

好きなようにやりなさい、と変わらずに居た



ある時から、私の涙に変化が起こった



悲しみの涙は、ダイヤの形

喜びの涙は、真珠の形

分かち合いの涙は、小川のように流れ

私の奥に流れ込んだ



私の目は、遠くまで見渡し

私の鼻は、循環を生み出し

私の口は、メロディーを紡ぎ出すようになった



つい、昨日のことのように思う

神さまを無くしていた自分を



今こうして再び、神さまと共に在る

何事もなかったかの、ように