言葉では心配する素振りをするのだけど、

心の中では、お前も派手に転んでみろと、少しだけ笑って呟いていた。

自分を助けてくれた人にすら、そんなことを思うんだ。

自分の見てきたものだけがすべてで、正しくて。

君のこれまでには、舗装された綺麗な一本道しかなかったんだ。

砂利道をよたつきながら歩くことしかできない私に一体、何を施したいと言うのか。



知らないからだ。

目の前にあるものの本当の姿を。

君には、美しい形しか映っていないのだろう。

本当はとても繊細で、複雑になっているということを、君はまだ知らないんだ。



転びながらもずっと向こうに見える小さな灯りだけを見つめて、ここまで歩いてきたんだ。

君には、分かる話ではないんだ。

君が口にするのは、分かったつもりの無知、それだけだ。



君にも大きな怪我をしてほしい。

一生、傷痕が残るくらいの。

そんなことを思いながらも、君に会うとほっとするんだ。