Inspire yourself
 そんな暗く沈んだ日々も庭仕事に熱中しているうちは、まだ何とか気も紛らわせた。しかし庭仕事も終わり、身体中の痛みも和らいで来たがまだサーフィンには、波が大きすぎ、行く気にもならずオオモリさんを、呼んではお部屋でうだうだ、ウクレレ引いたり食べたり飲んだりだた。おまけに毎日雨、強風と止める理由は、いくらでもあったし寒かった。
 でもある日の事、マサオ君や近所のみんなから(ニックちゃん、色が白くなったわねー)とみんなに言われた時には、ホント驚いた。サーフィンを始めて45年以上経つけれど色が白くなったなんて言われた事なんて後にも先にも一度も無かっただけにショックでした!
 しかし何ですかねー、世の中何が幸いするかなんてわかる訳がない、でも世間一般に人には、なんでもないであろう一言が物凄くズシーンときたんですよ、私にはね。暗く沈んでいた自分に一筋の灯りを見た気がした。just like Now you see the right ,stand up for your life! Come on,get up stand up ,don’t give up the your right!!!!
 と、ボブマーレイも背中を、押してくれてる気がしたもんだった。ついに意を決してスミ君シェープの9-10をケオニの部屋から引っ張りだす。
厚みは、少し薄いが浮力は、充分だろう、で幅はと、うわー、ヤバイ19インチしかない、こ、これは、いくら何でも細過ぎ、、だけどもうこれしかない。アウトでは、8.10フィートが炸裂しているんだ、これで行くしか無いとカワマンと連れだって家を出る、顔が引きつったようで笑おうにも何かギクシャクしている自分がいた。
 なにせ膝の手術以来6シーズンぶりの10フィートオーバーだけに、どうなる事やら、ホントにテイクオフ出来るだろうか?とかね、嫌な事ばっかり考えてしまう。もうはよ入ってしまおう、入ってたらどないかなるやろ、じゃァカワマン、ここからビーチ歩いて駐車場の方から回っていく?と聞くと(イヤボクはここから行きますわ)だって、何や結局は、1人かい?てもそうだよな、来た時からいつも1人だった。見よう見真似でここの波をサーフィンしてきたんだ。最後は、何でも自分1人、何もかも全部ね、見て判断してやり通して、失敗もし、巻かれもし、怪我もいっぱいしてきたけれどただ一つだけは、はっきり言いきれるよ、自分にウソを、つきたくはないしまたつけないしね、ただそれだけさ!そうあの波に乗りたいだけなんだ。あっ後ひとつは、あがってからの冷え冷えのバドかな〜、えへん
 またちょっと話しが逸れてしまいましたが、サンセットビーチまで歩く間に見たセットは、言葉もなく、ただ飲み込む唾の音だけが聞こえてた。
 とにかくポイントまで奥に行かないようにウエスト狙いでとビーチで入るタイミングを待つ間も心臓がバッコンバッコンと外から見てもわかるんじゃあないかなと言うくらい激しく脈うっていた。そして時は、来た、一目散に走れないので歩いてやっとinto the water.それからがまた大変だった。パドルアウトの時もボードが細過ぎて横揺れが激しくパドルもままならないのに大丈夫かいなと聞くと入ってもうたもんしゃーないやろと自問自答を繰り返す内についに6年ぶりのサンセットアウトサイド、と感動する間も無くセットの波をかわすので必死のパッチ!漕いでも漕いでもこれでもかと言うくらいの波また波、もうこれだけで
腰がちぎれそうなほどパドルした。
 はっと気が付けば入っちゃあいけないエリア内、でもこのエリアにいなけりゃあー波には乗れないわけで、また思う間も無くセットの嵐!またもや漕いでも漕いでも漕いでも何本めかのセットに捕まった。もうグリングリンに巻かれ倒してやっと水面へ、でもう次の波が来ていた。それも全部まかれて、やっとの思いでボードに乗る、もうあかん今日は、これくらいにしといたるわ、でスープに乗って上がろうと寝たままロケットテイクオフ!パーリングして6フィートくらいのスープでめちゃくちゃ巻かれてやっと、ホントやっと上がってこれたのだった!物凄く悔しかったけど、その夜のバドの美味かった事と言ったら、くっ〜!乗る事は、出来なかったけれど吹っ切れた感が凄く嬉しくてベッドに入ってもニヤニヤが止まらなかった!オレもまだまだ行けんじゃん、よーし明日から見とけよー!何かメラメラ燃え上がってきた感じ〜、Yeah!!! 
Nick at Pipe