Envy and Distortion
そうこうするうちに、12月となり、トリプルクラウンやダフイのバックドアーシュートアウト等のコンテストが目白押しでその合間には、イン メモリーオブ、エディアイカウのセレモニー、ダフイのセレモニーなどプロにとっては、1年で一番忙しいシーズンの始まりでもある。
そして波はと言えば、異常にデカくそんなコンディションの中2本以上乗らなきゃならない、まだ今でこそ2本だけど昔は(ベスト3waves)で行っていたんだから体力もスタミナもギンギンでなけりゃあならなかった。まずノースショアーでサーフィンする場合、何があってもまず自分で泳いで帰れることがまず第一条件なんです。今でこそみんな平気でライフガードに助けてもらったりしてるけれど、私がノースショアーに来た頃は、泳いで帰って来れないのならここでサーフィンしては、行けないと言う何か暗黙のルールみたいなものは、あったような気がする。
それプラス日本を代表するようなビッグウェーバー、レジェンドサーファーと腕に覚えのあるサーファーが我こそはとノースショアーのビッグウェーブにいどみあるものは去り、またあるものは、そのノースショアーの波に挑み続けるのである。
それがいかなる代償を払おうが身体が壊れて行ってようが、その波に乗る為にいかなる犠牲をしいられようとね。ひとたびノースショアーのデカイ波に乗っちゃったが最後もう抜け出す事は出来なくなるんだ。
テイクオフの時のあのドキドキ感、恐怖、うるさいはずなのに何故か音のない世界、チューブに入った時のスローモーション、プルアウトした時に出る言葉にならない雄叫び!その達成感とアウトに戻るパドル中のついついニヤける満足感!
これを知ったが最後キミはもうノースショアーの虜になるのは間違いないです、ハイ。そんなこんなで何人かのプロやトップアマが我が家にも泊まりに来てくれたのだった。初めこそ楽しかったものの、毎日デカイ波なのにサーフィン行けていいなぁがだんだん羨ましくなり、そしてだんだん何となく腹立たしくなり、やがては小さくならない波が恨めしくなった。
そしてだんたんと仕事に没頭し、心の中ではいやーな自分が嫌で部屋からも余り出なくなってしまった。そして考えついたのは、もう一度死ぬ気で、初めからやるしかないやん!そうさ、あの18歳、たった1人でこのノースショアーにやって来た時みたいにもう一回1からやっちゃうしかないでしょ!