世界の大事故

世界の大事故

以前別な場所でやってた珍盤レビューと、その書き足し。

Amebaでブログを始めよう!
最近よくピグDJをやってるんだけど、
4人のBtoB形式なこともあって、10分以上の曲はかけられません。
まあ実際全員が10分の曲をかけたら
自分が次の曲かけられるの30分後になっちゃいますからね。

ただ、これは何としてでもかけたい!という動画を見つけまして。
さすがに50年近く生きてきちゃうと
全く把握も理解もしようがない音楽ジャンルというのは
そうそうないわけですが、
久しぶりに出会った「ソレ」です。



あまりの奇妙さに、一時はYouTubeで流行ったShreds映像かとも思ったけど、
よくよく見ても、確かにこういう演奏をしてる。


ちなみにShredsっていうのはこういうのね。



まあこれはこれでサイコーなわけですけど。



話を戻してさっきの楽団。
タイトルも文字化けしてて読めないけど
どうやらミャンマーの楽団らしい。
トラディショナルのように見えるけど、サビとかかなりポップですよね。
いや正直いまだにShredsではないかという疑念も
払拭されきってはいないんだけど、
もしそうだとしたら、「同じようなムチャクチャ」になりがちなShredsに
新風を吹き込んだ一曲と言えるのかもしれません。
こんなタイプのポップス聴いたことないですもん。


去年のキルミーベイベーに続いて、
今年は「たまこまーけっと」というアニメの音楽を担当しております。
京都アニメーション「けいおん!」チームが再集結して
制作されたオリジナル作品ということで、
注目度はとても高かった、らしかったのですが、
実は私、京都アニという会社も知らなかったアニメ音痴でございまして、
山田監督とお会いした時も「へえ、こんなコがー」みたいな感じで。
でも制作を進めるにつれ、これはもう本気中の本気出していかないとマズい!と
どんどん緊張の度合いが高まってまいりました。
だってネットのみなさんキビシーんですもん。

とか言いつつ、特に緊張することもなく(いとも簡単に前言撤回)
ひたすら楽しく制作を進めております。
自分は今回は音楽プロデュースに徹する予定だったんですが、
いろいろあってED曲やらキャラソンやらの作曲もやっております。
ただやはり一番時間を割いているのはプロデュースの部分でして、
それは何をする仕事ぞ?と言われても
一言では説明できないくらい色々仕事があります。
前エントリーのようなネタばらしは、もちろんまだしませんが
一つだけこっそり書いておきたいことを。



今回のOP曲「ドラマチックマーケットライド」は
「渋谷系っぽい」と評されることが多いのですが、
これはある意味では間違いではないです。
作曲と編曲を依頼した弊社作家の片岡知子と宮川弾は
かつて、いわゆる渋谷系と呼ばれた
ある音楽ムーブメントの「中の人」だからです。
特に宮川弾は、ラヴタンバリンズのメンバーでもあり、
Wikipediaによると「渋谷系という言葉の発祥は、Rockin On誌の
ラヴタンバリンズのインタビュー」と記載されていて、
つまり発祥に立ち会った人物ということになります。

でもですね。
音楽そのものという側面から見ると、OP曲が渋谷系というのは
間違っているというか、順番が違うんですよね。
というのは、渋谷系自体が60~70年代のよい音楽を
発掘して再解釈・再構築するムーブメントだったからです。
60-70年代のよい音楽というのは、ジャズやソフトロック、
良質のシンガーソングライター、映画音楽などです。
この話はとても長くなってしまうので、今は割愛しますが、
要するに今回のOP曲は「渋谷系っぽい」のではなく、
あえて言えばその元ネタになっていたタイプの楽曲っぽいのです。
特に僕らはレコード屋もやっているくらいですから、
その頃の音楽の知識はかなり多い方だと思います。

そしてこれは、どのバンドのどの曲をパクった、
とかいう話ではありません。
むしろスタンダードへの回帰なのです。
アメリカの映画音楽やポップスというのは、
それ以前にあったジャズやクラシックの
正しい知識や解釈の集大成なんですよね。
きちんと理論を学んだ人だけが作曲の仕事をしていた時代。
複雑なコード進行やコーラスワークなどは
この時代コンピューターで簡単に打ち込みができたとしても
そう安々と真似できるものではありません。
渋谷系にはUKギターポップやネオアコなどの
いわゆるギター音楽を由来としている系譜もありますが、
今回のOP曲に関しては、60-70年代の
その「きちんとした楽曲」を継承している、と解釈して頂くのが
一番正しいのではないかと思います。

スタンダードは古くなることがありません。
バート・バカラックの楽曲たちや
当時のハリウッド映画のテーマ曲は
いまだに街角で当たり前のように流れています。
「渋谷系」というのはリスナー側、評論家側がつけた名称で、
確かに人脈的にはあるムーブメントだったのかもしれません。
でも作曲家側から見ると「スタンダードの今」なのです。

長くなってしまいましたが、
一年後くらいに(まだ覚えていたら)ネタばらし的なことを
しれっと書くかもしれません。
もうみんながたまこまーけっと自体を忘れた頃にでも!






最近は月に何度もDJをやったり
Dommuneやタモリ倶楽部でこの手の盤を紹介したりして
なんとなくレコード研究家っぽくなってきたですが、
全然違いますからね、俺。
俺の周りにはもっともっとすごい研究家や蒐集家が
いぱーいいるので、
口が裂けても自分は専門家とは言えないです。
本業は作曲家ですからね。
つうか、レコード紹介しても仕事にはならないです。
まあだからこそ安心して趣味にしておける
ってところもあるんですが。

一応中古レコード屋もやってるんですけど
これがまた儲からない。いー感じに儲からない。
そりゃ医療用レコードとか売ってたら儲かるわけない。
一つ自慢があるとしたら、おらの店もしかしたら
日本一高いところにある中古レコード店かもしれないってことくらい。
つってもたかが11階なんですけどね。
でもレコード屋の紹介本「レコードマップ」を見る限り
新宿に同じ階の店が一軒あるだけで
たぶん同率一位だと思います。
そんでもって、もしかしたらそれは
世界一を意味するのかもしれない。
欧米でこんな高い場所に店あるの見たことないですからね。
あとは香港がライバルになるかもしれないけど、
香港のレコ屋にも詳しい友人にきいても
11階とかにはやはりないそうで。
こんなんで世界一とかでも全然嬉しくない!
と言いたいところだけど、やっぱ嬉しいです。
いま懸念してるのは12階の部屋が一個空いてるので
そこに中古レコード店ができてしまうことです。

なんか今日は徒然に書いてみました。
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Jack Gustafson
The Best of Times(1984)

我がレコードショップ、ソノタには
「ピザパーラー」というジャンルがありまして。

その昔、と言ってもおそらく今現在もなんですが、
アメリカのピザパーラーにはオルガンが置かれており、
プロのオルガニストが、
お客さんのリクエストなんかに応じつつ
料理のお伴に演奏する習慣があるんですよね。
彼らの使うオルガンは、
それぞれ大幅なカスタマイズがされており、
違うメーカーのものが合体してたり、
鍵盤が15段くらいになっているものまであったりして、
その辺の「改造車との相似」話も面白いんですが、
本筋から離れるので、今回は割愛。

で、このJack Gustafsonさん。
ロス在住のパーラーオルガニストの一人なんですが、
何枚かアルバムを出しています。
そのうちの一枚が1984年に録音されたコレ。
オルガンは簡単に持ち運べるものではないため
おそらく教会かピザパーラーに録音機材を持ち込んで
録音されているのでしょう。
New York New Yorkなんかを軽快に演奏し、
B面も後半に差しかかった時、事件は起こります。
地震が起きるのです。
そう、ロスは地震多発地帯。
94年には数十人が亡くなる大地震も起きてますよね。
そのちょうど10年前に起きた
おそらくは中規模の地震。
それが録音中に発生してしまったわけです。

ちょっとテープ止めて!
あーあ、頭からやり直しかー。
とまあ普通はそうなるはずなんですが、
なんとこのレコード、
演奏中に地震発生、演奏ストップ、ガタゴトガタゴト
何かが倒れる、スタッフのざわめき、
それらをすべて丸々1分収録しちゃってるんですね。
御丁寧に「Earthquake」なんてタイトルまでつけて
しっかり曲扱いしちゃっております。
地震慣れした彼らの余裕すら感じさせますね。

2011/02/11記

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Alfred Wolfsohn
Vox Humana(1956)

1948年に設立されたFolkways Recordsは、
現在ワシントンのスミソニアン博物館に
吸収されていることからもわかる通り、
まさに博物館的に、世界中の民族音楽や実験音楽
サウンドドキュメンタリー、サウンドスケープなどを
数千枚もリリースしてきた特異なレーベルなのですが、
その中でも、これは特に変わった一枚。

ヴォイスムーブメントセラピー(VMT)という運動に携わり、
人声や歌唱そのものを研究し続けていた
Alfred Wolfsohnというちょっとイカレた先生が
人間はどこまで高い音と低い音が出せるか、とか
声を使った色んな実験をしてるレコード。
そんな実験して何になるのか、と思われる方、
こうして数十年後まで語り継がれるだけで
十分立派な仕事だと思いませんか?

2010/01/10記
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Hammond State School Performing Group
Taking It To the Streets(1985)

個人的に「音痴モノ」と「障害者モノ」を集めてるんですが、
これはその両方のコレクト心を満足させてくれる一枚。
知的障害者の方々が歌うわけですから、
それは当然音痴にもなろうものですが、
アメリカの場合、彼らを教育しているのは
キリスト教系の学校や団体が多く、
行儀よく賛美歌を合唱したり、
練習しすぎで上手くなっちゃったりしてることが多いのです。
しかしハモンドステイト学校の校風なのか、
このアルバムのはずれ具合はかなりのもので、
おじさん大満足!

あと、学生モノなんかもそうですけど
こういうレコの場合、選曲が一番大事ですよね。
先述した通り、賛美歌ばかりやってるものも多い中、
本作ではマドンナの「Material Girl」や
ビリージョエルの「Uptown Girl」などを取り上げており、
80年代以降この手のアルバムは珍しいということもあいまって
そっち方面コレクターとしては
決して手放したくない作品になっております。

2009/11/28記
世界の大事故世界の大事故

Chef Otto
The Art of Cooking
The Art of Cooking Meat

見るからにプライベート・ローカル盤とわかる
簡易印刷ジャケが魅力のこの二枚。
実は「料理オリンピック」金メダリスト、オットーさんが
新米シェフのために奥義を伝えるハウツーアルバムです。
黒い方は料理全般やキッチンについて、
紫の方はより細かく、肉料理に関してのTipsなどが
フランス語訛りの英語で語られ尽くされております。
ArtとCooking Meatという言葉が
ofで繋がれてるところが、えーと、イイと思います!

2009/9/30記

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Hershey Foods Corp.
Music to Sell Chocolate By

見ればわかりますよね。
あの甘ったるいチョコレートでおなじみ
米ハーシー社のノベルティレコードです。
なんと美味しそうなジャケ!
A面はテレビとラジオ用に作られた
チョコレートをはじめとするHershey社の商品の
30秒、60秒ジングル集。
B面は広告用に作られた様々なタイプの曲がメドレーで収録されてます。
でもこれ「Sell Chocolate By」なんですよね。
営業さんに配布されたものなのかしら?

板チョコは正方形ではないけど、
四角形や円形の商品を売ってる会社は
この手のジャケのレコード作りやすくていいですよね。
逆に商品が四角や丸だから、
レコードを作りたくなっちゃうのかもしれないですね。

2009/9/18記
$世界の大事故

Orville K. Snov & Associates
Companion to T.V.(1957)

芸術かイタズラか。
1957年に作られたこのレコード、
一応サイレントムービー「The Fital Love」の
サウンドトラックってことになってますが、
よく考えてください。
サイレントムービーのサントラって...。

要するにこのレコードには
音がまったく収録されていないんです。
溝は掘ってあるけど、無音。
裏面には

どんな回転数でも再生可能です!
高音質で収録!
テレビを見ながらかけられる待望の一枚!

とか書いてあるにひひ

ケージの4分33秒のシングル盤があるという
真偽の定かでない情報もありますが、
このレコードがネオダダの流れを汲んでいようが
ただの悪のりだろうが、
もちろんそれらを区別する必要はありません。


2009/09/12記