GPS追跡の果ては、やっぱり中国 古新聞まで“金のなる木”に 古紙の裏事情、衝撃の事実
http://www.sankei.com/west/news/151118/wst1511180005-n1.html
新聞の「ちり紙交換」が激減した。古新聞など古紙の収集を自治体が行うようになったためだ。自治体収集では、決められた曜日に家の前や集積場に出すと、回収される。だが、そこで古新聞の束を勝手に持ち去り、荒稼ぎする行為が横行している。苦慮した自治体側は、持ち去りに対し罰金つきの禁止条例を制定するケースが増加。東京都内の自治体が中心だったが、大阪府内でも泉大津市が10月に改正条例を施行するなど広がっている。一方、関東の製紙原料問屋の組合は自治体と協力、GPS(衛星利用測位システム)で古新聞の行方を追跡する措置に出た。持ち去りがはびこる背景に何があるのか。
中国で段ボールに
製紙メーカーでつくる日本製紙連合会(東京都中央区)によると、古新聞や古雑誌など古紙の輸出量はここ十数年で急増。財務省統計では、平成12(2000)年は37万2千トンだったが、13年には3.5倍以上の146万6千トンに達した。輸出量はその後も伸び続け、24年には492万9千トンまで膨らんだ。その量は、なんと12年の13倍を超える。25年から減少しているものの、26年はそれでも461万9千トンだ。
輸出先は12年はタイが30.3%で最も多かったが、13年から中国がトップの座を続けている。そのシェアは13年40.1%、14年50.8%、15年51.5%と増え、17年には83.8%になった。その後も60~80%台で推移している。
経済成長を続ける中国では、段ボール箱の原料となる古紙が足りないとされ、輸入でまかなう必要がある。「世界の工場」と呼ばれる中国では、さまざまな製品を世界に輸出し、国内流通させている。それには、当然製品を梱包する段ボール箱が大量に必要になる。
かつては、ちり紙交換に見られるように、古新聞の回収は業者が担ってきたが、平成12年にごみの減量化やリサイクル促進を目指す循環型社会形成推進基本法が成立。自治体が古新聞など古紙の回収に取り組むようになり、家の前や集積場に、多くの古新聞が定期的に置かれるようになった。無料で実施する自治体回収の影響で古紙価格が急落。ちり紙交換業者が少なくなる原因ともなった。
一方、中国は、古紙が足らず、日本からの輸入が急増。その結果、日本国内の古紙価格が跳ね上がった。
持ち去ろうと思えば簡単に持ち去ることができる状況が生まれ、価格も上がったことから、悪質な行為が広まったとみられている。
輸出の40分の1が持ち去り
関東1都6県の製紙原料問屋でつくる関東製紙原料直納商工組合(関東商組、東京都台東区)によると、輸出に使われる船に、持ち去られた古新聞や古雑誌などが入っているという。組合の推定では、輸出される持ち去り古紙は全国で年間約12万トン。26年の輸出量で考えると、その約40分の1が持ち去り古紙という計算になる。
持ち去りは、どのようにして行われるのか。
大阪府泉大津市では、市職員が資源ごみ収集日にパトロールを実施。その結果、家の前に堂々と軽トラックなどで乗り付け、古新聞を持ち去る現場を確認したという。今年10月には2回にわたり大規模なパトロールを実施。古新聞を持ち去る行為が計9回、目撃された。
関東商組によると、悪質行為に手を染める者たちは、早朝に行われる自治体による収集の前に、一気にやってしまうのが特徴という。担当者は「各家庭から出される新聞の束は10キロくらい。これを200個集めれば2トンで、問屋に持って行けば1万4千~1万6千円になる。数時間あればそれくらい稼げる」と指摘する。
関東商組では、平成25年から自治体と協力しGPSを追跡に活用。GPS端末を古新聞に取り付け、どこに運ばれるかを割り出した。これまでに協力した自治体は45にのぼる。
関東商組が作成した冊子「持ち去り古紙の行方」では、こうした追跡の現場を写真で紹介。荷台に堂々と新聞を積んで走るトラックや、外から何があるか見えにくいワンボックスタイプの車で運ぶ場面、輸出コンテナに積まれ港に運ばれる様子などがGPSで特定され、写し出されている。
関東商組はGPS調査で、買い取り問屋を特定。常習的に購入している業者名をホームページで公表している。組合員の製紙原料問屋には、持ち去り行為で得られた古紙の購入を禁じているが、組合に加入していない問屋の中には、買い入れるところがあり、問題になっているのだ。
世田谷区では48件を罰金告発
古新聞の持ち去りが横行するのに伴い、罰金つきの持ち去り禁止条例を施行する自治体が東京都内を中心に増加。リサイクル業者でつくる東京リサイクル事業協会の今年5月までのまとめによると、都内23区では、13区が罰金を科せる条例を定めている。23区以外でも、14市町が罰金つき条例を制定。氏名公表を定めている自治体も多い。
協会によると、持ち去りが繰り返し確認されると、自治体が警察に条例違反で告発、罰金が科せられる仕組みになっている。
罰金は20万円以下が基本。平成15年に条例改正し20万円以下の罰金を設けた世田谷区では、罰金適用を始めた16年から今年11月初旬までで48件を警察に告発した。板橋区は今年4月から20万円以下の罰金のほか、常習者には、50万円以下という厳しい額の罰金が科せられるようにしている。
協会の担当者はこうした持ち去り禁止条例について「関東が多く、関西は少なかった」と指摘するが、大阪府内でも同様の条例を制定する自治体が出てきている。
前述の泉大津市は、今年10月1日から古紙持ち去りに対し20万円以下の罰金を加えられる改正条例を施行した。実際に罰金を科せられるのは来年4月からで、市が、持ち去り行為を確認した場合、禁止命令書を交付し、従わなければ罰金に処すこともありうるという内容だ。効果を高めるため、古新聞を入れるポリ袋に貼る「資源物持ち去り厳禁」と書かれたシールを10万枚作成。12月初めに各戸配布の広報誌とともに市民のもとに届ける予定だ。
泉大津市環境課の担当者は「市民から『新聞が持ち去られる』という苦情が相次いだが、この条例で悪質行為を何とか抑えたい」と話す。
大阪府内ではほかにも、寝屋川市、茨木市、河内長野市で20万円以下、箕面市で10万円以下の罰金つきの条例が制定されている。
ところで、条例による罰金ではなく、なぜ捜査機関に、窃盗容疑で検挙するよう要請しないのか。この点について関東商組の担当者は「警察に窃盗容疑で取り締まれないか相談したが、『所有者がだれなのか特定しにくいため難しい』といわれた」と明かす。こうした法律解釈の難しさもあって、罰金という罰則を伴う自治体の条例が広がったとみられる。
条例「限界ある」
関東商組によると、罰金やGPS追跡、業者名公表などさまざまな取り組みがなされているにもかかわらず、持ち去り行為は続けられている。
環境問題に取り組むシンクタンク「ダイナックス都市環境研究所」(東京都港区)の山本耕平所長は「自治体の罰金の対象は利益を上げている問屋ではなく、末端の業者で、効果には限界がある」という。
そのうえで、「現在のリサイクルシステムは、行政と市民によってつくられたルールがある。たとえば、天気が悪くてもよくても決められた日、時間に回収してくれる。市民は決められた日、時間にごみを出す。こうしたルールを改めて認識し、(早朝に持ち出されやすくなるのを避けるため)夜中にごみを出さない、変な人がいれば警戒するなど、市民が関心を持っていくことが大事だ」と提言している。
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金目のところにいつのまにか中国が関わっている。
勘弁してもらいたいです。
http://www.sankei.com/west/news/151118/wst1511180005-n1.html
新聞の「ちり紙交換」が激減した。古新聞など古紙の収集を自治体が行うようになったためだ。自治体収集では、決められた曜日に家の前や集積場に出すと、回収される。だが、そこで古新聞の束を勝手に持ち去り、荒稼ぎする行為が横行している。苦慮した自治体側は、持ち去りに対し罰金つきの禁止条例を制定するケースが増加。東京都内の自治体が中心だったが、大阪府内でも泉大津市が10月に改正条例を施行するなど広がっている。一方、関東の製紙原料問屋の組合は自治体と協力、GPS(衛星利用測位システム)で古新聞の行方を追跡する措置に出た。持ち去りがはびこる背景に何があるのか。
中国で段ボールに
製紙メーカーでつくる日本製紙連合会(東京都中央区)によると、古新聞や古雑誌など古紙の輸出量はここ十数年で急増。財務省統計では、平成12(2000)年は37万2千トンだったが、13年には3.5倍以上の146万6千トンに達した。輸出量はその後も伸び続け、24年には492万9千トンまで膨らんだ。その量は、なんと12年の13倍を超える。25年から減少しているものの、26年はそれでも461万9千トンだ。
輸出先は12年はタイが30.3%で最も多かったが、13年から中国がトップの座を続けている。そのシェアは13年40.1%、14年50.8%、15年51.5%と増え、17年には83.8%になった。その後も60~80%台で推移している。
経済成長を続ける中国では、段ボール箱の原料となる古紙が足りないとされ、輸入でまかなう必要がある。「世界の工場」と呼ばれる中国では、さまざまな製品を世界に輸出し、国内流通させている。それには、当然製品を梱包する段ボール箱が大量に必要になる。
かつては、ちり紙交換に見られるように、古新聞の回収は業者が担ってきたが、平成12年にごみの減量化やリサイクル促進を目指す循環型社会形成推進基本法が成立。自治体が古新聞など古紙の回収に取り組むようになり、家の前や集積場に、多くの古新聞が定期的に置かれるようになった。無料で実施する自治体回収の影響で古紙価格が急落。ちり紙交換業者が少なくなる原因ともなった。
一方、中国は、古紙が足らず、日本からの輸入が急増。その結果、日本国内の古紙価格が跳ね上がった。
持ち去ろうと思えば簡単に持ち去ることができる状況が生まれ、価格も上がったことから、悪質な行為が広まったとみられている。
輸出の40分の1が持ち去り
関東1都6県の製紙原料問屋でつくる関東製紙原料直納商工組合(関東商組、東京都台東区)によると、輸出に使われる船に、持ち去られた古新聞や古雑誌などが入っているという。組合の推定では、輸出される持ち去り古紙は全国で年間約12万トン。26年の輸出量で考えると、その約40分の1が持ち去り古紙という計算になる。
持ち去りは、どのようにして行われるのか。
大阪府泉大津市では、市職員が資源ごみ収集日にパトロールを実施。その結果、家の前に堂々と軽トラックなどで乗り付け、古新聞を持ち去る現場を確認したという。今年10月には2回にわたり大規模なパトロールを実施。古新聞を持ち去る行為が計9回、目撃された。
関東商組によると、悪質行為に手を染める者たちは、早朝に行われる自治体による収集の前に、一気にやってしまうのが特徴という。担当者は「各家庭から出される新聞の束は10キロくらい。これを200個集めれば2トンで、問屋に持って行けば1万4千~1万6千円になる。数時間あればそれくらい稼げる」と指摘する。
関東商組では、平成25年から自治体と協力しGPSを追跡に活用。GPS端末を古新聞に取り付け、どこに運ばれるかを割り出した。これまでに協力した自治体は45にのぼる。
関東商組が作成した冊子「持ち去り古紙の行方」では、こうした追跡の現場を写真で紹介。荷台に堂々と新聞を積んで走るトラックや、外から何があるか見えにくいワンボックスタイプの車で運ぶ場面、輸出コンテナに積まれ港に運ばれる様子などがGPSで特定され、写し出されている。
関東商組はGPS調査で、買い取り問屋を特定。常習的に購入している業者名をホームページで公表している。組合員の製紙原料問屋には、持ち去り行為で得られた古紙の購入を禁じているが、組合に加入していない問屋の中には、買い入れるところがあり、問題になっているのだ。
世田谷区では48件を罰金告発
古新聞の持ち去りが横行するのに伴い、罰金つきの持ち去り禁止条例を施行する自治体が東京都内を中心に増加。リサイクル業者でつくる東京リサイクル事業協会の今年5月までのまとめによると、都内23区では、13区が罰金を科せる条例を定めている。23区以外でも、14市町が罰金つき条例を制定。氏名公表を定めている自治体も多い。
協会によると、持ち去りが繰り返し確認されると、自治体が警察に条例違反で告発、罰金が科せられる仕組みになっている。
罰金は20万円以下が基本。平成15年に条例改正し20万円以下の罰金を設けた世田谷区では、罰金適用を始めた16年から今年11月初旬までで48件を警察に告発した。板橋区は今年4月から20万円以下の罰金のほか、常習者には、50万円以下という厳しい額の罰金が科せられるようにしている。
協会の担当者はこうした持ち去り禁止条例について「関東が多く、関西は少なかった」と指摘するが、大阪府内でも同様の条例を制定する自治体が出てきている。
前述の泉大津市は、今年10月1日から古紙持ち去りに対し20万円以下の罰金を加えられる改正条例を施行した。実際に罰金を科せられるのは来年4月からで、市が、持ち去り行為を確認した場合、禁止命令書を交付し、従わなければ罰金に処すこともありうるという内容だ。効果を高めるため、古新聞を入れるポリ袋に貼る「資源物持ち去り厳禁」と書かれたシールを10万枚作成。12月初めに各戸配布の広報誌とともに市民のもとに届ける予定だ。
泉大津市環境課の担当者は「市民から『新聞が持ち去られる』という苦情が相次いだが、この条例で悪質行為を何とか抑えたい」と話す。
大阪府内ではほかにも、寝屋川市、茨木市、河内長野市で20万円以下、箕面市で10万円以下の罰金つきの条例が制定されている。
ところで、条例による罰金ではなく、なぜ捜査機関に、窃盗容疑で検挙するよう要請しないのか。この点について関東商組の担当者は「警察に窃盗容疑で取り締まれないか相談したが、『所有者がだれなのか特定しにくいため難しい』といわれた」と明かす。こうした法律解釈の難しさもあって、罰金という罰則を伴う自治体の条例が広がったとみられる。
条例「限界ある」
関東商組によると、罰金やGPS追跡、業者名公表などさまざまな取り組みがなされているにもかかわらず、持ち去り行為は続けられている。
環境問題に取り組むシンクタンク「ダイナックス都市環境研究所」(東京都港区)の山本耕平所長は「自治体の罰金の対象は利益を上げている問屋ではなく、末端の業者で、効果には限界がある」という。
そのうえで、「現在のリサイクルシステムは、行政と市民によってつくられたルールがある。たとえば、天気が悪くてもよくても決められた日、時間に回収してくれる。市民は決められた日、時間にごみを出す。こうしたルールを改めて認識し、(早朝に持ち出されやすくなるのを避けるため)夜中にごみを出さない、変な人がいれば警戒するなど、市民が関心を持っていくことが大事だ」と提言している。
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金目のところにいつのまにか中国が関わっている。
勘弁してもらいたいです。