「好きだよ…
君が好きだ…
榛名さん…ここにいてくれて、ありがとう…
おれは君を想えて良かった…
君を好きになれて、良かった…」
神坂先生が私の肩を抱く。
強く、強く。
その強さが、増していく。
「先生は…人を本気で好きになったこと、
あったんですか…?」
先生の背中に手を回しながら、聞く。
「どうして、そんなことを聞く?」
少し、声が震えている。
先生の顔がみたい、そう思った。
「今の言葉を聞いていると、
先生は、自分が私を想えたことを
本当に心から喜んでいるみたいだから
そういう想いは、
今までしたことなかったんですか?」
「なかった…
人を好きになったことは確かにある
だけど、ここまで強い想いを持ったのは初めてだ
どうしてこんなに…
人を愛しく思えるんだろう…
君が愛しいんだろう…」
狂おしいほどに、その腕が、その身体が
私を求めているのが分かった。
「先生は…私の印象だけれども…
私と同じような人間なのかもしれない…
先生は…掴みにくい存在だと思ってた…
私は、先生のことが最初、怖かった…
それは…先生が…先生も…
仮面をかぶっていたからなのかもしれないですね…」
すぐ近くに、彼の人を感じた。
物理的にもそうだが、そうではなくて。
「先生…私のこと、
好きになってくれて、ありが…」
彼の人の力がまた強まった。