「そこから…動き始めたわけだ…

 君と神坂先生は…」


いつの間にか時刻は黄昏時になっていた。

かれこれ4時間近く話していたことになる。


夕日が沈んでいくのが見える。

沈む夕日は、かなりのスピードで沈むように見える。

冬が終わったとは言え、まだ少し肌寒い。



「そうですね…

 好きになったら駄目だとか思いながらも…

 いつの間にか、少しずつ…魅かれていったんですよね…

 

 彼の人に…」


結木は沈む夕日を眩しそうに見つめながら、応えた。



「ただ、神坂先生も私も

 それ以上は進む気はなかったんです


 歩み寄れるところまでは、寄りました

 

 でもそれが一番寄れるところだと

 お互い承知していたのです


 神坂先生は、私と翔野の間を邪魔することはなかった…

 

 彼もまた、私に言葉をかけてくれる中で、

 分かっていたんです


 私とは、一緒にいられないことを」



「じゃあどうして、神坂先生は君に近付いて…

 君の傍にいようとしたんだろう…?


 そんなの…哀しいだけじゃないか」


小暮の声は、少し震えていた。



「それは…

 自分のことを少しでも、私のこころに印象付ける

 ためだったそうです…


 まぁそれを聞いたのは、つい最近だったんですけどね」