冬休みも学校へはほとんど行くことなく終わった。

毎日毎日塾に通いつめ、勉強に追われた。


大掃除や初詣でなど、恒例の行事に追われて、

12/31と1/1は勉強を休んでのんびりしたが、

それも必要なことだったのだと思う。


1/1は午前中は家族と初詣に行ったけれど

昼からは、翔野に誘われて、近所の神社をお参りした


勉学の神様だったので、二人でお揃いのお守りを買った。

翔野のは水色。私のは白だった。


「結木には白が似合うと思う」


翔野はそう言った。


「何者にも染まらない、白」


どこか遠くを見つめるような眼をして彼は言った。

彼にそんな眼をさせていたのは私だった。



「でも…白だといろんな色に染まっちゃうよ?

 染まらない白って…?」


純粋に浮かんだ疑問だった。

翔野の手のぬくもりを感じながら、何の意図もなく聞いたこと。


すると翔野は笑って続けた。


「近付くことが出来ないんだよ、どの色も、さ

 誰も結木の心に近付くことが出来ないんだ


 それが、‘染まらない白’の意味さ


近付けなければ、混ざることも出来ない

 混ざることができなければ…


 染まることも、ない」


最後は独り言のように、翔野は言った。



初詣のあとは、布団にくるまって

家に帰って翔野の言っていた言葉の意味を考えていた。


そのうちうとうととしてきたようで、昼寝をしたら

いつの間にか夕方が来ていた。


リビングに下りて、見るのを忘れていた年賀状を手にとる。

毎年毎年減っていく年賀状は哀しい。


何枚か繰ったところで、私の手は止まった。


神坂啓悟」の文字を宛名に見つけたからだ。


リビングに行く前、私の携帯は美月からのメールを受信していた。

女の子らしい、絵文字をふんだんに使ったメール。



「明けましておめでとう☆

 私は南高を推薦で受けることにしました♪

 

 神坂先生に年賀状送ったのに、

 今日は届いてなかったよー(:><)

 返事来るといいなぁ(:´艸`)」



私は、送ってさえいないのに…。

神様って不公平やなと…そう思った。


そして…神坂先生の冷徹さが垣間見えた気がした。