オープンキャンパスは1時間半程だった。
昼前には終わり、そのあとは自由に
見学していいとのことになっていた。
何人かの高校生が来てくれていて、
その人たちに案内してもらうことも出来た。
誰かに案内してもらおうかなぁと思いながら、
うろうろとしていると
「こんにちは」
と後ろから声をかけられた。
不意打ちだったので、びっくりして振り向くと、
そこに立っていたのは…
私が通うK中学の、私の前の生徒会長だった人だった。
「結木、久しぶり」
「お久しぶりです、中野先輩」
中野先輩は頭も良く、運動もでき、
ルックスも良く、性格も良い、かなり完璧な人だ。
いつも堂々としていて、K中学に在籍中は
陸上部のキャプテンと生徒会長を務めていた。
世の中にこんな完璧な人が、
しかも中学生にいるのかととても驚いたくらいだ。
今も、高1ながら東大確実と言われているが、
本人にそんな気は全くないらしく、
京大の法学部を狙っているらしい。
何ともまぁ、すごい人である。
ちなみに彼の人は京大の法に進学している。
この人とも連絡先は交換していたため、
ちょくちょく連絡はとっていたのだ。
「結木が来るかなと思って、スタンバイしてたんだ
案内するよ、そのあと昼ご飯でも食べに行こう
翔野も来てるか?呼んでこいよ・・・・
…貴方は?」
中野先輩の目が、誰かをとらえたようだ。
「今日、この子たちの引率をしている、K中学の神坂です」
私はさっきよりももっと驚いて後ろを振り返った。
神坂先生はもうとっくに帰ったものだと思っていたからだ。
「あぁ、じゃあ今年からの先生なんですね
自分はK中学の卒業生で中野といいます
案内役を務めようと思ってここに来たんです」
「そうですか
じゃあ僕も一緒に回らせてもらってもいいですか?」
神坂先生は柔らかく笑みを浮かべて中野先輩に話かけた。
その眼は笑っていなかった。
「勿論ですよ、他の子もどうぞご一緒に」
中野先輩は、気付いただろうか?
この人はかなり鋭い人だったから。
だけど、卒のない態度で応対する先輩は
いつもの先輩と変わらなかったように思えた。