部活を引退し、本格的に受験勉強を始めた。
夏休みという、受験の「天王山」を迎えたのだ。
私は、大抵、塾に籠っていた。
午前中は夏期講習に参加し、
午後からは21時くらいまで自習で残っていた。
夏休みの宿題はとうに終わらし、
基礎的なことは大体身についていたので、
応用問題集を買ってそれを解いていた。
学校に行く必要など、全くなかった。
質問をするのも課題をもらうのも、塾で事足りたからだ。
特に私はこの塾の先生方を本当に尊敬していて、
この人たちに認められたいと思っていたから、
学校よりも塾で勉強することを選んだ。
学校でも勿論補習はあったし、質問教室も用意してくれていたが、
強制でないやつには出ることはなかった。
美月は社会の質問教室によく通ったみたいだったが。
翔野との中も相変わらずだった。
彼や聡子もよく塾に自習に来ていたので、
一緒にお弁当を食べたり、途中まで帰ることが多かった。
神坂先生のことを思う日など、ないに等しかったと言える。
8月の「ある日」が来るまでは。