県大会は結局、2回戦で負けた。
ただ、R中学といい試合をしたことと1回戦に勝ったことで、
かなり注目されたようで、
どこかの高校の先生が、神坂先生に話しかけているのを
何度か目撃した。
しかし流石に県大会。
かく地区の強豪が集まっている。
この子たちは将来ソフトボールで飯を食っていくつもりなのか
ってくらい逞しく日に焼けたメンバーがたくさんいる
チームばかりだった。
私たちは、負けたことに対する悔いはなかった。
それは、一生懸命やったという気持ちでいっぱいだったからだ。
時間も設備も限られている中で練習し、
ここまで来られたことに満足していた部分もある。
達成感で満ち溢れていたのだ。
ただ、負けた時はとても悔しくて、私たちは泣いた。
涙が止まらずに、グラウンドのフェンスの外側で
円になって、神坂先生の話を聞きながら泣いていた。
神坂先生は、私たちに、「よく頑張った」と
何度も何度も言ってくれた。
先生の目にも、うっすらと涙が浮かんでいた。
「君たちとは、短い間だったけれど、
ソフトボールを一緒に出来て、良かった」
神坂先生は3年生のメンバーに向かってこう言ってくれた。
「君たちは引退ということになるが、たまには
部活を見に来てくれると嬉しい
これから受験勉強も大変だろうけれども、
そちらでも君たちの力になれるようおれも頑張るよ」
取り敢えずはこれで引退となった。
「気をつけ!礼!」
「ありがとうございました!」
今までで一番力強い挨拶だったと思う。
これで私たちの夏は、終わった。