「練習は、裏切らない」


神坂先生は、まず一言、そう言った。


「いいか、おれはまだここに来て4ヶ月経ってない

 

 そんなやつが何を言っても、

 気休めにしかならないかもしれない


 でもな、ひとつ聞いてほしいことがある


そういうと神坂先生は一度言葉を切った。

そして、ゆっくりと続けた。真剣な目で。


「おれはずっと野球をしてきた

 高校の時のチームは、甲子園を狙えるほどのチームでな


 君たちと同じように毎日毎日練習して、

 本当に一生懸命だった


 監督もとても素晴らしい人でな、

 野球だけでなく心構えとかも教えてくれたんだ


 おれたちは最後の夏期県大会で、決勝まで行った

 ‘勝てる’っていう確信を持ってな


 決勝の対戦相手は、

 普段は下の方をうろうろしているようなチームで、

 ここまで勝ち上がってきたのも、運が良かったから

 としか言いようがなかったからだ


 何故なら強豪と呼ばれるようなチームは、

 すべておれらが倒してきたからだ


 だがな、それは‘油断’だったんだ」