体育祭も終わり、6月になった。
中学3年生は6月の半ばに修学旅行がある。
今年は沖縄に行くことになっていた。
一応、金曜の6限目のHR等を使い、着々と準備は進んでいた。
しかし、生徒会としてもしなければならない仕事が
たくさんあったので、部活に遅れることもしばしばあった。
でも、平穏な日々は続いた。
別に神坂先生と無駄な絡みはなかったし、
翔野とも仲良くやっていたと思う。
でも、私は知らなかっただけなのだ。
神坂先生が、私と翔野の2人を見送る時、
何を考えていたのかを。
日々は平穏だった。
私も翔野のこころも平穏だった。
でも、神坂先生のこころの中だけは、
平穏なんかじゃなかった。
あの人は、本当に大人だった。
だから自分の感情を隠すことくらい朝飯前だったのだ。
私を不安にさせないように、
私が、近寄って来ないのは仕方がないとして、
遠ざかっても行かないように、
そっと傍に立っていることだけを努めようとしていたのだ。
それを私は勘違いしていた。平穏なのだと。
その時間が、‘嵐の前の静けさ’
という言葉が似合うなどど、全く考え付かなかった。