焼き肉の後は、そのまま家に帰った。
時計を見ると、20時前。
本当は塾もあったのだが、聡子と私はその時はサボった。
というのは冗談で、朝のうち自習に行っていたから
その時に今日の課題はこなしてあった。
今日は数学で、一応新しい単元の説明はなされてあったので、
あとはどんどん問題を解いていけば良かったからだ。
普段はこんなことはしないが、
聡子も焼き肉に行きたかったらしく、
私も行くことになってしまったので、
塾の先生に頼んで、この日だけこのように
してもらったのだ。
優等生はこういう時、融通がきいたりする。
「あ」
そして私にはその時気付いたことがあった。
‘翔野にこのこと言ってないや…’
この日、焼き肉を食べに行くので塾を休むことを、
私は翔野には言っていなかった。
‘昨日一緒に帰れんかったけんなぁ・・・
心配してないかな・・・?’
そう思っていた私の携帯電話が鳴ったのは、
その日の21時過ぎだった。