「今、君は、大月君と言う子とは…?」


小暮が恐る恐る口を挟んできた。

それを聞いて、結木が柔らかく笑った。



「付き合ってませんよ


 彼とは、中3の時に別れました

 別に、神坂先生が原因ではないんですが


 彼と別れた原因は、私の所為です


 でも、彼とは今もいい友達です

 連絡を取り合いますしね


 ただ、可愛い彼女さんも出来たようで

 まぁ、翔野なら当たり前でしょうね」


くすくすと結木は笑った。

でもその笑い顔は、どこか淋しげで。



「大月君に、未練があるの?」



「…あるいは、そうかもしれません


 あの人は、優しくて、とてもいい人でした

 あの人の良いところを全部あげろっていわれても

 難しいですが…


 私自身、あの人には感謝しています

 こんな私を、「好きだ」と言ってくれたのですから」



「もし…彼とやり直せるものなら…


 やりなおしたい?」



「分かりません…


 でも、やり直すことは、やり直せることは、

 きっと、ない…」



結木はそれきり黙ってしまった。



「話を、続けて

 おれは君の話が聞きたい



 君が誰を想っていたのか、

 君が今、誰を想っているのか、知りたい」