「おめでとう」
あの人が、私をしっかりと見据えて
テストの答案をゆっくりと差し出しながら言った言葉。
私は、きょとんとするしかなかった。
きょとんとした私に気付いたのか、
神坂先生が少し笑う。
席に戻る道すがら、答案を開くと、
『88点』
だから…なのか…?
さっき神坂先生がしていた説明によると、
どうやら88点は、学年でも最高の点数だったらしい。
だから…、「おめでとう」なんて言ったの?
いつの間にか答案の端はしわくちゃになっていた。
どうして…
どうして「おめでとう」なんて…?
何が、「おめでとう」なの…?