教室のドアを開けると、

2~3人の友達が残っていたものの、


机に吊り下げられている鞄の数を見ると

もうほとんどが帰ってしまったようだ。



テスト中は出席番号で座るため、

私もいつもと違う席に座っていた。


その席に向かうと、

鞄―黒いリュックなのだが―のポケットに何かが

挟まっているのが見えた。


一枚の白い紙だった。



「結木へ

 

 先に塾に行きます

 結木より先に、社会の問題聞いちゃうから(笑)

 

 あとで何で逃げたか聞かせてよ

 やっぱり神坂先生のことなの?


 あ、神坂先生が、結木に

 いつでもいいから自分のところに

 来てくれって伝えてくれって


 やけん私は先に塾に行くよー


 じゃあまたあとでね


          聡子」



どうすればいいんだろう。



私は途方にくれた。