どうして私が神坂先生のことを
考えていたかというと…
神坂先生は、この頃にはすでに
生徒によく話しかけられる先生となっていた。
だから他の生徒と、遠くの方で話しているという
印象が強かったのだ。
賀川先生と話している私の近くに来ているなんて、
全くもって思っていなかった。
だって、私が靴箱から賀川先生の姿を見た時には
神坂先生はその近くにはいなかったからだ。
まぁ、敢えて探すことはしていなかったが。
それなのに、あの瞬間
神坂先生は傍にいた。
笑ったということは、
自然に笑えたのかもしれないが、
私の注意を引きたかったというのも
あったのだろう。
私が彼に話しかけるのを
待っていたのかもしれない。
でも私は、そんなことをする気は
全くなかった。
妥協はした。
しかし、これ以上神坂先生に近づく気は
なかったのだ。