部室で着替えたあと、
荷物を持って職員室へ向かった。
職員室へ入ると、
ほとんどの先生が帰宅されたようで、
2、3人の先生しか残っていなかった。
その中に、神坂先生はいなくて。
担任の柴川先生に聞くと、
ベランダにいるはずだと教えてくれた。
お礼を言ってベランダの方に向かう。
賀川先生はもう帰宅されたらしく
荷物がなかった。
少し、ホッとした。
カラカラとベランダに通ずるドアを開けると、
「おう」
と声を掛けられた。
「煙草、吸われるんですね」
そこには、煙草を片手に
ベランダにもたれてゆったりとくつろぐ
神坂先生がいた。
生徒の前にいる時とは、
雰囲気が少し違うような気がした。
‘大人だなぁ’と思わされたと同時に、
‘やっぱり掴みにくそうな人だ…’とも思った。
でもそれは、最初に神坂先生と会った時に思った、
‘怖い’という感情には結びつかなかった。
でも、‘得体のしれない’という感情は
そのままだった。
「どうしたん?」
いつの間にかボーっとしていたらしい。
先生の声で私は我に帰った。
「いえ、それで…
聞きたいこととは…?」
少し先生から目をそらして聞く。
さっさと終わらせて、帰ろうと思う気持ちが
先行する。
神坂先生が、口を開く。
「あぁ・・・
あのな・・・、まずは君に
謝らなければいけないことがあるんだ」