その日の部活中は、休憩時間は別だが、
私語をする者はいなかった。
まぁ、美月が喋らないのだから
それも当然だろう。
いつもの雰囲気に戻ったといえるのでは
ないだろうか。
美月には悪いが、私はそれに少し満足していた。
部活が終わり、グラウンド整備をして、解散になった。
解散になると同時に、
美月が私の側へ駆け寄ってきた。
それはすでに予想していたことだった。
「ねぇ、さっき神坂先生と何話してたん?」
少し強張った顔で美月が聞いてくる。
美月には、私と神坂先生の話は
聞こえていなかったはずだ。
美月はあの時、守備についていたのだから。
「あぁ、遅刻した理由だよ
流石に2日も遅れたら、
ちゃんと説明がいるでしょ」
私は笑って答えた。
「そのあとは?」
それでも美月の強張った顔はそのままだ。
何かを咎めるような口調である。
「部活のことを聞きたいから、
職員室に来てくれって言われたよ
美月、神坂先生に話してくれなかったの?」
私の方も少し美月を責めてみる。
どうせ関係ない話ばかりしていたのだろうと。
「あ・・・だって先生、違うことばかり話してたし・・・
ま、いっかって思って・・・
でも何で結木ばっかり・・・?」
この子は、焦っているのか
それとも、怒っているのか
果たして、悲しんでいるのか
「キャプテンだからでしょ
それ以外に何か理由があるの?」
さっさと会話を片づけたい私は
少し強い口調で、返事をした。
美月に暗に責められているような
気がしたから。