次の日は朝9時半から入学式だった。


その式は滞りなく終わった。

勿論、私のお祝いの言葉も。


前で喋るのは何度も経験してきたので、

もう慣れていた。


なんせ、卒業式でも送辞を述べた身だ。

保護者を相手にしても、ひるむ私ではない。


とりあえず、入学式が終わったあと、

上学年は一応授業があった。2限だけだったが。


それが終わると、いつものように部活だった。

しかし私と聡子は、今度は入学式の片付けがあるために

遅れて行くことになっていた。


その旨を神坂先生に伝えに行った。


正直行きたくなかったのだが、

2日連続でほとんど部活に出られない状況なので

流石に人に伝えてもらうのもどうかと思い、


3年団の職員室に足を踏み入れた。



「神坂先生いらっしゃいますか?」


と言うと、



「あぁ、榛名さん、どうしたん?」


と、コーヒーを持った先生が机の方から呼びかけてきた。


私は先生の傍に行き、

今日の部活も遅れるということを伝えた。


神坂先生がそれを承諾してくれたので、

そのあとすぐにその場を立ち去ろうとすると、



「あ、榛名さん、

 今日のお祝いの言葉、良かったよ

 堂々として喋れていたし

 感心したよ」


と言ってくれた。



私は、‘当たり前だろ’と思いながらも

その言葉に対するお礼を述べた。


そして彼の人が、

まだ何か話しかけたがっているのを遮って、

職員室をあとにした。



その時、「榛名」と

後ろから声をかけられた。


「はい?

 …あ…賀川先生…」


声をかけてきたのは、私が、中学3年間ずっと

英語を受け持ってもらっていた、賀川先生だった。