掃除したばかりで、まだ綺麗な部室で着替え、

外に出ると、


校舎の壁にかかっている時計が

12時50分をさしていた。



着替えるといっても、

ユニホームは大抵、練習中には着ない。


体操服か、Tシャツといったところだ。


だから着替えるのに

15分近くかかったわけではない。


喋るのに重点が置かれていただけだ。



外は雲ひとつない青空だった。


太陽の日差しは、春のそれというより、夏のそれだった。

私は眼を細めた。


今日は、この季節には珍しく、暑くなりそうだ。



「いい天気だね、

 ソフト日和だ!」


美月がいつもよりやる気になっている。


多分、神坂先生と会えるかも知れないのが

嬉しいのだろう。



‘単純やなぁ’


とも思ったが、


女の子は、そういうところが

可愛いのかもしれない。



ふっと、グラウンドの端、

いつも私達が道具を置いているところに目をやると、


野球部の倉庫の前に置かれているベンチのひとつに、

後輩たちが集まっていた。



その場所は、丁度グラウンドに面しているので、

部活を見るには、最適な場所だった。



「もしかして…

 先生、来てるんやない?」



1人が言うと同時に、美月が駆け出した。


そして、みんなも駆け出して行った。



そう、私を除いて。