美月の話は続いた。
顔を赤らめて、でも嬉しそうに話す美月を
可愛いとさえ思えた。
「神坂先生」と言う人を、判断は出来なくとも、
先生に惚れている彼女は、とても女の子らしく見えた。
「それでね…
あたしが持ってたバットを見て、
『君はもしかして、ソフト部かい?』
って聞いてきたから、
そうだって答えたら、
『俺、この春から、顧問をするんだ
よろしくな!』
って。
その時はそれで終わってんけど、今朝会った時
私のこと、覚えててくれてん!」
「へぇ~、それで惚れちゃったわけだ」
副キャプテンが、
からかい口調で楽しそうに言いながら、
美月の肩を叩いた。
「でも、美月可愛いもんね!
がんばって!応援してるよ」
皆がその言葉に賛同していく。
「そんなんじゃないよー」
と言いながらも、美月は嬉しそうだった。
きっと皆の反応がどんなものか、
怖いところもあったんだろう。
何しろ相手は、新米とはいえ、「先生」なのだから。
私も皆と一緒に笑ってはいたが、その一方で
冷静な目で、彼女を見ていた。
確かに、美月は可愛い。
いや、可愛いというより、綺麗な顔をしている。
背も高めでスタイルもよく、ともすれば高校生にも見える。
ただ、あまり、思慮深くはない。
「うちのクラスの社会、神坂先生だから、
たくさん質問行ってみたら?」
私も彼女に助言した。
私と美月は一緒なクラスなのだ。
ちなみに他の3人は、3年1組が一人と、3年3組が2人。
社会の担当は、違う先生なのだ。
「それええやん!」
副キャプテンが賛同する。
「そうやね、そうしようかな・・・」
美月も嬉しそうに眼を輝かせた。
美月は絶対質問に行くだろう、
そして、勉強というよりはむしろ、
先生のプライベートなことを聞くのだろう・・・
と、私は想像できた。