※R‐15指定※
※本日のブログには、一部グロテスクな表現・画像が含まれます。十分ご注意下さい。自己責任でお願いします。※
※苦情が来たら、画像は削除します※
―――それは、ある金曜日の昼下がり。僕らゼミのメンバーは、たわいもない話をして、研究室に向かっていた。
そう、試験の話や試験の話、試験の話なんかだ。楽しそうだろ?
研究室に着き、ゼミ長が鍵を開ける。
『…カチャリ』。
聞き慣れたいつもの音が、今日は妙に耳に残る。
部屋に一番初めに入ったA子の足が止まった。
「何かあるわ。」
A子が机の上を指差して言う。
一同は、机に視線を向けた。
俺も、みんなとほぼ同時に、机に視線を向ける。
「…ビン?」
机の上には、見慣れないビンが置いてあった。
嫌な予感がした。
首筋に、スッと緊張が走る。
寒気がしたのは、冬なのに冷房を入れている研究室のせいだけではないはずだ。
ビンの周りをみんなが取り囲む。
嫌な予感が、じょじょに頭の中を支配していく。
そして、確信へと変わった。
「やだ…。はさみで、お腹を…。」
B子が悲壮な声を上げた。
C男とゼミ長の表情も強張る。
俺は、ただ、その変わり果てた姿を見つめることしか出来なかった。
「ウーパールーパー…なのか…?」
C男がぽつり、つぶやいた。
A子が思わず口元を押さえる。
俺は、その変わり果てた姿に、思わず目を背けたくなった。
口と腹を裂かれ、ホルマリン漬けになっている物体。
内臓をむき出しにし、目はもう光を失っている。
…それは、紛れもなく、ウーパールーパーであった。
「いったい誰がこんなひどいことを…」
ゼミ長が、声を搾り出すように言った。
わずかに、肩がふるえている。
ゼミ生の中では、ゼミ長が一番ウーパールーパーを可愛がっていた。
今も、ショックが一番大きいのかもしれない。
「あれは…」

A子が部屋の奥を指差した。
一同は、部屋の奥へと移動した。
「恐らく、このはさみでやったのだろう。酷いやつだ。」
C男がはさみに近づいて言った。
C男も、肩が震えている。
A子とB子は、寄り添い、お互いを支えあっていた。
立っているのがやっと、といった感じだ。
ゼミ長は、はさみから視線を離すと、またビンを見つめ続けていた。
俺は、そんな全体の光景を見ていて、違和感を感じた。
この違和感はいったい…。
「ちょっと、いいかな。」
俺の言葉に、他の4人がこちらに視線を向ける。
俺は、4人を見返しながら、言った。
「残念だけど、この中にウーパールーパーを殺害した犯人がいると思うんだ。」
驚く4人。
だが、1人だけ驚き方が微妙に違う。
俺はそいつを見つめて、静かに言った。
「…あなたが、犯人ですね。」
俺の言葉に、犯人は、小さく、だがしっかりと、首を振った。
――――――――――――――― モクモク著『まがりなりにも人生だ』より抜粋
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
こんばんは。
久しぶりに物語形式で書いてみましたw
さあ、皆さん犯人は誰だかわかりましたか?
書きながら考えた推理なので、すぐに気づいてしまう人もいるかと思いますが、楽しんでくれたら幸いです。
ちなみに、全部フィクションですからw
ただ、ゼミ生の構成は、現実のゼミと同じです。
ついに、後輩のゼミで、解剖が始まったようです。
解剖を行うことは、前から知っていたのですが、いざ実物を見るとかわいそうですね(ノ◇≦。)
自分たちの代は鯉だったので、まだ許容範囲だったのですが…。
うーん…。このブログでも、ウーパールーパーのファンの方がいたので、申し訳ないです。
動物愛護団体に叩かれそうな気もします。
なので、元気な姿のウーパールーパーの写真も載せます。
この2匹は、教授が観賞用として飼っっているペットなので、ばらされる事はありません。
ご安心願います。
ただ、教授の気分次第というのも否めない。
超がつくほど優しい教授なのですが、根っからの研究者でして…。
ふむ。
この命の犠牲から、後輩たちがいろいろ学んでくれたら幸いです。
ではでは。
アヴィアント~。