入社してビジネスマンとしての経験を積み、やがて仕事を与えられる立場から、創り出す立場へ変わっていきます。与えられる仕事にしても、質量ともに、自分ひとりで処理できるわけでなく、周囲を動かして成果を出してゆくものになります。
自分の企画を通すためにも、その企画を現実のものにするためにも、コミュニケーション技術、所謂「根回し」は重要な要素です。仕事上手は根回し上手といわれるのもそのためです。
ある仕事をする場合に、その成功の確率を高めるため、上司や同僚、関連部署、あるいは得意先などに対して、事前に賛同や支持を取り付けてから仕事にかかることであり、いうならば仕事の事前準備のうちというわけです。
外国の企業でも、多かれ少なかれ根回し的なことは行われているようですが、特に日本の企業で根回しが強調されるのは、日本の企業の仕事の行われ方が、極めて「人間関係的」であり、「ホンネ的」である部分が濃いからだと思います。
ある仕事に対する立場の違いを考えると、内容ややり方に対する賛成者、中立者、反対者がいるのが普通です。そうした立場の違いや時間的制約もあり、彼らに対して一様のアプローチが行われることはまずなく、一定の基準で進められる場合が多いです。
その基準というのは関係者を説得する順番です。まず、最初から賛成、支持してくれると分かっている「賛成者」に、事前に企画の趣旨や内容などを十分に説明し、納得度を高めて支持や協力を強力に固めることです。
次には、大勢の意見に従うという態度の「中立者」を説得して、積極的な支持者、協力者になってもらうように努めることです。その後、「反対者」を「中立者」さらには「賛成者」に「変身」してもらうように説得することになりますが、ここで注意してほしいのは、「反対者」の説得に時間や努力がかかり過ぎ、結果として他の人たちへの根回しが手薄になることは決して得策ではありません。
みなさんの仕事、特にコミュニケーション技術を高めるのに参考していただければと思います。そしてThinkWiseプランナーも計画的な実現に活用していただければ幸いです。