京都市中京区の老舗扇子店「宮脇賣扇庵」の職人たちが、人気ファッションブランド エミリオ・プッチ とのコラボレーションで、イタリアと京の文化が融合した扇子を作った。 大胆で色鮮やかな「プッチ柄」が人気のエミリオ・プッチが、14日の京都高島屋(下京区)での直営店オープンを機に、関係者らに配る扇子を発注した。両社は色合いやデザインを話し合って検討した。職人たちは、扇子袋を、イタリアから直送されたプッチ柄のジャガード織りの絹の生地を使って制作。扇子は、その柄に合わせ、伝統技法で顔料を吹き付け、「帯柄」という一筋のシンプルなデザインをほどこした。1カ月半かけて約300本を仕上げた。
プッチ社日本法人によると、日本の伝統工芸とのコラボは初めてで、「(創業者の出身地の)フィレンツェと京都とは姉妹都市で、文化的背景など共通点も多く、互いの職人の技術も高い。新たな方向性を探れると考えた」という。宮脇賣扇庵は「失敗できず大変だったが、職人の刺激になった。今後も伝統を守りながら、時代に合ったものを取り入れていきたい」としている