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感染爆発のインフルエンザはさらに大山が? ~ "免疫力"は上がらない~

インフルエンザ患者がさらに増加しています。
画像は札幌市の下水サーベランスですが、
下水中に含まれるA型インフルエンザウイルスか急増していることがわかります。

 


市は

ウイルス濃度は前週から大幅に増加しており、警戒が必要です

としていて、注意を呼びかけています。
国民から感染予防の心がけの気持ちが薄れてから、
インフルエンザが流行していて、
それもコロナ禍以前よりも大きな流行になっています。

原因の一つには、徹底した感染対策を行っていたため、
私たちがこのウイルスに曝露する機会が激減し、
ウイルスが侵入してきた時のための準備ができていなかった
「免疫負債」が原因に挙げられます。

ただ、それだけではここまでの感染爆発は考えにくく、
やはり、SARS-CoV-2感染による免疫調節異常の可能性を考えるべきでしょう。

SARS-CoV-2、新型コロナウイルスですが、
このウイルスは免疫機能にダメージを与えることで知られています。

COVID-19パンデミック中にRSウイルス感染症の疫学が変化したのはなぜか?
https://www.thelancet.com/journals/eclinm/article/PIIS2589-5370(23)00266-3/fulltext

RSウイルス感染症の疫学の問題ですが、
この中で

・SARS-CoV-2誘発性の免疫調節異常の可能性
・SARS-CoV-2とRSウイルスのウイルス相互作用


が挙げられています。

 


こちらでも、2022年の0~5歳の子どもで

COVID-19(新型コロナ感染症)にかかった小児の大規模な増加と、COVID-19が免疫系と呼吸器系に及ぼす潜在的な長期的な悪影響を通じて、COVID-19が2022年の幼児のRSウイルス感染症の急増に寄与したことを示唆している

と結論づけています。

これは、RSウイルスに限った話ではなく、
インフルエンザウイルス感染でも、
SARS-CoV-2が関連していると考えるべきかと思います。
SARS-CoV-2に感染すると、免疫が下がると認識する必要があります。

そのSARS-CoV-2ですが、同じく札幌市の下水サーベランスで



こちらも急増。

ウイルス濃度は前週から大幅に増加しており、警戒が必要です

としています。

 

 

 


鳥居忠雅「隈取十八番 市川流火焔隈」

 

 

先ほど、「免疫が下がる」とお書きしましたが、
コロナ禍以後「免疫力が上がる」「免疫ケア」なんていう
謳い文句を目にすることが増えました。
結論から言えば、無駄な考え方かと思います。

免疫で重要なのは安定で、もしも上げられるとしても、
上がったことで、自己免疫疾患を患うかもしれません。
単純化して言うならば、免疫がマイナスになることはあっても、
プラスになることはないと考えたほうが健全でしょう。

「腸内環境を整えて免疫力アップ」なんて言いますけれど、
多発性硬化症のように、免疫細胞が健全な細胞を攻撃して起きる病気もあります。
「免疫力アップ」ではなく、
今、構築されている自分の「腸内環境の安定」を図るべきというイメージでしょうか。
こちらで、似たような話をお書きしています。

 


インフルエンザに話を戻しますと、
冬休みが終わり、子どもたちは学校での日常に戻りました。
おそらく、これからも学校で感染が広がるでしょう。
1~2週間後、さらなるインフルエンザの大波が来る可能性があります。

今は薬がない、病床もない、
そのことも忘れずに、予防に努めてください。

 

新型コロナ感染症については、

まるで放送禁止用語かのように、テレビなどでは触れませんので、

「マスコミが言わないので大丈夫」なんて思わないでください。