『 速さの公式は使えるように 3 』
○ なぜ、 速さ と 時間のかけ算で 距離が出る のか?
次の [ ] に適切な語句・式などを入れてください。
私たちは、たいてい小学校の低学年までに、
うさぎ と 亀 を比べて、[ うさぎ ] の方が速いことを知っている。
また、人間のアキレス と 亀 を比べて、[ 亀 ] の方が遅いことを知っている。
( このことを前提にして、
「 うさぎ と 亀 」という童話 や 「 アキレス と 亀 」というパラドクスが成り立っている。)
私たちは、生活のなかで言葉を学び、「 速さ 」 についてある程度理解しているのです。
亀 : ・ ・ ・ 。 歩みがのろい 。 ・ ・ ・ 。
しかし、速さを理解するのに、[ 時間 と 空間 ] (時空) が前提とされていること、
速さをはかるのに、時間 と 距離の [ 単位 ] が必要であることを十分に認識していません。
このことを認識するために、小学算数で 「 速さ 」 について学び始めるのです。
道路をほぼ一定の速さで走っている自動車を、
( 例えば 36 km/h = [ 10 ] m/s , 50 km/h ≒ 13.89 m/s , 72 km/h = 20 m/s など )
信号待ちしているときなどに、私たちは見ます。
そのとき、
「距離」 と 「時間」 について理解していたら、
自動車がある一定の距離を移動するのに、一定の時間がかかることを理解できます。
距離を2倍、3倍、・・・ とすると、その移動時間も [ 2 ] 倍、[ 3 ] 倍、・・・ になること も理解できます。
よって、
一定の速さでは、
( 移動 ) 距離 と ( 移動 ) 時間 が [ 比例 ] の関係にあることも理解できます。( 当然、「比例」について履修後 )
比 例
x が 2倍、3倍、4倍 ・ ・ ・ になると、y も 2倍、3倍、4倍 ・ ・ ・ になる。
このとき、
y は x に比例するといい、
比例定数を a とすると、
y = a x の関係式が成り立つ。
y = a x (+0) のもう一つの意味 : x y 座標平面において、
傾きが a で、原点( 0 , 0 ) を通る直線
傾きが a で、y 切片が 0 である直線
では、
時間 が 距離 に [ 比例 ] している と決めるの と
逆の 距離 が 時間 に [ 比例 ] している と決めるのでは、
どちらが私たちにとって都合よいのか?
考えます。
1 秒間に、10 m 移動する のと 5 m 移動するのでは、
あるいは 10 m を 1 秒で移動する のと 2 秒で移動するのでは、
どちらが速いか わかっています。
一方の速さが、他方の速さの [ 2 (1/2) ] 倍 であることもわかります。
( 同じ時間に、移動する距離が [ 2 (1/2) ] 倍 )
( 同じ距離を移動するのにかかる時間が [ 2 (1/2) ] 倍 )
まず、時間を 1 [ s ] 、距離を 10 [ m ] とするとき、
時間 が 距離 に比例している とするとき、一定の速さを w₁ とすると、
[ 1 ] = w₁ × [ 10 ] が成り立つ。
逆の 距離 が 時間 に比例している とするとき、一定の速さを v₁ とすると、
[ 10 ] = v₁ × [ 1 ] が成り立つ。
それぞれを 速さについて等式変形すると、
w₁ = [ 1 / 10 ] = 0,1 [ s/m ]
v₁ = [ 10 ] [ m/s ]
同じ現象 ( 同じ距離を 同じ時間で 移動する ) に対して、異なる2つの速さ w₁ と v₁ が存在することになる。
つぎに、時間を 1 [ s ] 、距離を 5 [ m ] とするとき、
時間 が 距離 に比例している とするとき、一定の速さを w₂ とすると、
1 = w₂ × 5 が成り立つ。
逆の 距離 が 時間 に比例している とするとき、一定の速さを v₂ とすると、
5 = v₂ × 1 が成り立つ。
それぞれを 速さについて等式変形すると、
w₂ = [ 1 / 5 ] = 0,2 [ s/m ]
v₂ = 5 [ m/s ]
さらに、時間を 1 [ s ] 、距離を 15 [ m ] とするとき、
時間 が 距離 に比例している とするとき、一定の速さを w₃ とすると、
1 = w₃ × 15 が成り立つ。
逆の 距離 が 時間 に比例している とするとき、一定の速さを v₃ とすると、
15 = v₃ × 1 が成り立つ。
それぞれを 速さについて等式変形すると、
w₃ = [ 1 / 15 ] [ s/m ]
v₃ = 15 [ m/s ]
速さの単位が
もし [ s/m ] ならば、
速さが2倍になると その値は 0,2 から 0,1 と [ 2分の1 ] になります。
速さが3倍になると その値は 1/5 から 1/15 と [ 3分の1 ] になります。
よって、速くなればなるほど、速さの値が [ 小さく ] なる。
[ m/s ] ならば、
速さが2倍になると その値は 5 から 10 と 2倍 になります。
速さが3倍になると その値は 5 から 15 と 3倍 になります。
よって、速くなればなるほど、速さの値が [ 大きく ] なる。
以上より、
速さを把握するのに都合が良いのは、
距離を [ 分子 ] に 時間を分母にした [ m/s ] の方である。
つまり、
速さ を 単位[ 時間 ]当たりに変化する[ 距離 ] とすることです。
ゆえに、
距離は速さと時間の [ かけ算 ] で出る。
( 距離は [ 分子 ] にくる。)
○ 『 は・じ・き 』 の問題点
実は、覚えることが多い。 ( 『 は・じ・き 』 を1つ覚えたらいい どころか )
1、「は」 「じ」 「き」 が、それぞれ何を表しているのかを覚えなければならない。
2、『 は・じ・き 』 の 図 を覚えなければならない。
3、「は」を出すのに、
「は」を指で押さえて、
見えている「じ」と「き」の関係を、
『は・じ・き』の図から、「き」が分子で「じ」が分母であることを把握して、
分子の「き」を分母の「じ」でわる。
と覚えなければならない。
4、「じ」を出すのに、
「じ」を指で押さえて、
見えている「き」と「は」の関係を、
『は・じ・き』の図から、「き」が分子で「は」が分母であることを把握して、
分子の「き」を分母の「は」でわる。
と覚えなければならない。
5、「き」を出すのに、
「き」を指で押さえて、
見えている「は」と「じ」の関係を、
『は・じ・き』の図から、「は」と「じ」は横に並んでいることを把握して、
「は」と「じ」をかける。
と覚えなければならない。
3,4,5 については、「このように小学校の先生から教えてもらった。」と
かつて指導していた中1生から私は教えてもらいました。
この生徒は、『 は・じ・き 』 について、たのしそうに・うれしそうに説明してくれましたが、
文字式や1次方程式の速さの問題で、『 は・じ・き 』 をほとんど使えず、立式できなかった。
( 使えないことを 覚えるのが好きなのか? 知っていることが大切で、使えることはどうでもいいのか?)
実際、『 は・じ・き 』 の図の 「は」 を 「速さ」 に、「じ」 を 「時間」 に、「き」 を 「距離」 に直した
『 速さ ・ 時間 ・ 距離 』 の図を描いた紙を小学校の教室の壁にはっているのを、テレビで見たことがあります。
これは、上の 1、 に対処したものでしょう。
【 『 は・じ・き 』 の 図 】
円を描いて、
水平方向に直径をひき、上下に半円をつくる。
下の半円で2つの合同な扇形 ( 中心角90°) ができるように、半径をひく。
左下の扇形に「は」
右下の扇形に「じ」
上の半円に「き」をかく。
これが、『 は・じ・き 』 の 図 です。
「 先生は知らんと思うけど、
『 は・じ・き 』っていうのがあって、覚えたら、速さの問題解けると小学校の先生が教えてくれた。」と
かつて指導していた中3生がうれしそうに私に教えてくれました。
この生徒は、『 は・じ・き 』 の図を正確に覚えておらず、「 あれ、どこが 「は」 やったかな。」 と言うので、
『 は・じ・き 』 の図を提示し、
「 x km を10 km/h で移動し、y km を 15 km/h で移動して、全部で7 時間かかった。」 という文章について
式を立ててもらうと、
「 10x + 15y = 7 」 と 距離 と 速さの積の和を、時間 と等しいとした式を立てた。
( 単位 ( km )²/h [ 単位時間あたりの面積 ?] と 単位 h [ 時間 ] を等しいという式を )
この生徒は、かけ算が好きで分数は嫌いなようであり、
‘ 距離は、分子にくる ’ という 9 文字 を知らないようだ。
‘ 速さと時間のかけ算ででる距離は、分子にくる ’ ( 21 文字 )
○ 立体の計量 ( かけ算で出せるものは何?)
次の [ ] に適切な語句・式などを入れてください。
私たちは、言葉を学びます。
小学生になる前に、
立体 や 平面にかかれた図・形 など について、「[ ] ・ [ ] 」という言葉を使う。
さらに立体の物について、「 [ ] ・ [ ] 」という言葉を使う。
小学生 ・ 中学生になると、
「 大きい ・ 小さい 」 は、立体の[ ] についての表現でもあり、
「 重い ・ 軽い 」 は、立体の[ ] についての表現でもあることを知ることができる。
日常生活 ・ 学校生活を通して、
ある物体は、大きくなればなるほど・多くなればなるほど、[ ] なる。
立体の体積と質量が[ ]の関係にあることを知ることができます。
また
同じ大きさ(体積)のものが、すべて同じ重さ(質量)ではないことを知ります。
同じ重さのものが、すべて同じ大きさではないことを知ります。
小さくても[ ]物 や [ ]ても軽い物 があることを知る。
それらの物について、「詰まっている」 「密である」 や 「スカスカである」 「疎である」 と言及するかもしれない。
こうして、
距離 と 時間の比例関係を式で表すとき 速さ が必要だったように、
体積 と 質量の比例関係を式で表すには、[ ] が必要になる。
( 密度は、物質にとって、固有である。)
(摂氏 4 度の) 水は、1 cm³ , 1 g で、密度は 1 [ ] である とする。
密度を体積と質量でどのように表現すれば、物体の性質・属性を理解しやすいか考えます。
「ギッシリ詰まっている」 「スカスカである」という表現などに適するのは、
「 同じ大きさ の割には 重い・軽い 」 という表現でしょう。
よって、密度は、単位[ ] あたりの [ ] である。
ゆえに、
体積の単位を cm³
質量の単位を g として、
密度の単位は、 [ ] である。
以上より、
( [ ] ) = ( [ ] ) × ( [ ] ) という式が成り立ち、
[ ] は、[ ] と [ ] の [ ] で出せ、
[ ] は、[ ] にくる。
ことがわかる。
‘ [ ] と [ ]の[ ]ででる[ ] は、[ ] にくる ’ ( 19 文字 )
次回 『 速さの公式は使えるように 4 』 につづきます。