『 速さの公式は使えるように 13 』
○ ホイートストン ・ブリッジ
電気抵抗がそれぞれ R₁ Ω , R₂ Ω , R₃ Ω , R₄ Ω の4つの抵抗がある。
4点A, B, C, D を、正方形A B C D になるようにとる。
点A と 点Dを R₁ の抵抗をいれて導線でつなぐ。
点A と 点Bを R₂ の抵抗をいれて導線でつなぐ。
点D と 点Cを R₃ の抵抗をいれて導線でつなぐ。
点B と 点Cを R₄ の抵抗をいれて導線でつなぐ。
DB 間 は、導線だけでつなぐ。
E V の電池の正極と点Aを、負極と点Cをそれぞれ導線でつなぐ。
このとき、
DB 間の電流は 0 A だった。
R₁ と R₂ と R₃ と R₄ の関係式を求めなさい。
次の [ ] に適切な語句・式などを入れてください。
点A から点Dへの電流を I ₁ 、
点A から点Bへの電流を I ₂ とすると、
点D から点Bへの電流は 0 A だから、
点D から点Cへの電流は、[ I ₁ ]
点B から点Cへの電流は、[ I ₂ ] になる。
また、DB 間は導線のみでつながれているから、
( あるいは DB 間の電流は 0 A だから )
DB 間の部分は{ 等電位 } になるので、 [ ∵ E = R I より ]
AD 間 とAB 間の電圧は等しいし、
DC 間 とBC 間の電圧も等しい。
よって、
[ R₁ I ₁ = R₂ I ₂ ] ・ ・ ・ ①
[ R₃ I ₁ = R₄ I ₂ ] ・ ・ ・ ②
の2つの等式が立てられる。
①, ② より、R₁R₄ I ₁ I ₂ = R₂R₃ I ₁ I ₂ だから、
[ R₁R₄ = R₂R₃ ] ( 対面 ( の電気抵抗 )の積は等しい )
DB 間の電流は [ 0 ] A ⇔ [ R₁R₄ ] = R₂R₃ ( 同値 : 必要十分 )
トイメンの積は等しい。
公式 E = R I を
抵抗1つ1つについて使ったり、
直列部分や並列部分の全抵抗について使ったり、
全回路について使ったりした。
また、
導線についても 使った。( R = 0 より、導線は等電位 )
公式を、どの部分に適用するか判断しないと、
公式を覚えただけでは、回路の問題はなかなか解けない。
よって、
問題の状況を把握するために、必要な言葉(言語)を使えるようになることが重要です。
電流は、水の流れのように、
電位の高いところ から
分岐点では 分流したり 合流したりして、
電位の低いところ へ。
【 速度は、時間に比例する 】
速度 と 時間 の比例関係を式で表すのには、
比例定数として 単位時間あたりの速度 である 加速度 が必要です。
速度の単位を m / s
時間の単位を s とすると、
加速度の単位は、m / s² になる。
比例関係を表す式は、
( 速度 ) = ( 加速度 ) × ( 時間 )
である。
よって、
「 速度は 加速度 と 時間のかけ算で出る。」
速度を v
時間を t
加速度を a ( a は定数 ) とすると、
v = a t
は、t v 座標平面において 原点を通る直線である。 ( 比例 )
ゆえに、
1つ目の公式 ( 初速度を v₀ とする )
v = a t + v₀
は、t v 座標平面において 傾きが a で、v 切片が v₀ の直線である。 ( 1次関数 )
「 距離(変位)は 速度 と 時間のかけ算で出る。」
距離(変位)を x
時間を t
速度を v₀ ( v₀ は定数 ) とすると、
x = v₀ t ( v₀ > 0 , t > 0 とする )
は、t v 座標平面において
t 軸
と
v 軸
と
直線 v = v₀
と
直線 v = v₀ 上の点 ( t , v₀ ) から t 軸 にひいた垂線
で
囲まれた たて v₀ よこ t の長方形の面積を x として表したものである。
( この変位 と 時間の関係式は、任意の実数 v₀ , t でも成り立つ )
2つ目の公式
x = v₀ t + (1/2) a t ²
は、t v 座標平面において
t 軸
と
v 軸
と
直線 v = a t + v₀ ( a > 0 , v₀ > 0 とする )
と
直線 v = a t + v₀ 上の点 ( t , a t + v₀ ) から t 軸 にひいた垂線 ( t > 0 とする )
で
囲まれた台形の面積を x として表したものである。
( この変位 と 時間の関係式は、任意の実数 a , v₀ , t でも成り立つ )
・ y = a x は、x y 座標平面における原点を通る直線
・ y = a x + b は、x y 座標平面における直線 ( a は傾き、b は y 切片 )
・ S = b x + (1/2) a x² は、x y 座標平面において
x 軸 と y 軸
と 直線 y = a x + b ( a > 0 , b > 0 とする )
と この直線上の点( x , ax+b) から x 軸への垂線 ( x > 0 とする )
で囲まれた台形の面積を S としたもの
これらの中学数学の知識 と
速度、加速度、時間、距離(変位) などの概念を
使えば、
v = a t + v₀
と
x = v₀t + (1/2) a t² の 2つの公式は理解しやすいでしょう。
3つ目の公式
v² - v₀² = 2 a x
は、上の2式より、求められます。
これらの等加速度直線運動の 3つの公式 は、
小学算数・中学数学の知識を使えば、導き理解できるものです。
1つ目の公式を理解し、
それに基づき2つ目の公式を理解し、
1つ目 と 2つ目 から 3つ目の公式を導く。
それぞれ100 回も書いて覚えるようなものではありません。
私が高校2年生のとき、物理の先生により受けた最初の指導は
「 この3つの公式それぞれ100 回書いて覚えて来い。これら3つなんで成り立つか わしにもわからんからな。」
でした。
このような指導で、次のような状態になる生徒 ( 同級生 ) も生まれた。
言葉(言語)を使わず、考えず、
てっとり早く定期テストで点をとるため、
意味も分からず公式を覚えて数値を代入して計算する。
定期テストが終わると、覚えた公式は用済みとなり、忘れる。
定期テストのたびに、覚えては忘れることをくりかえす。
公式は覚えては忘れるものとなり、それを導く学力はなし。
当然、物体の運動状態の把握などできませんし、しません。
○ v = a t + v₀ と x = v₀ t + (1/2) a t² を使って、
v² - v₀² = 2 a x を導く。
次の [ ] に適切な語句・式などを入れてください。
v = a t + v₀ ・ ・ ・ ①
x = v₀ t + (1/2) a t² ・ ・ ・ ②
v² - v₀² = 2 a x ・ ・ ・ ③
が、それぞれ
[ ] と 時間 、
[ ] と 時間 、
[ ] と [ ]
の関係を表しているから、①と②で t を[ ]すれば、③が導けそうです。
①を変形する。
v = a t + v₀
a t + v₀ = [ ]
a t = [ ] ( 移項した )
t = ( v - v₀) / a ( ただし、a ≠ 0 ) ( 両辺を a でわった )
これを②に代入する。
x = v₀ t + (1/2) a t²
x = v₀ { ( v - v₀) / a } + (1/2) a { ( v - v₀) / a } ² ( 代入により t を消去 )
x = ( vv₀ - v₀²) / a + (v - v₀)² / 2 a
2 a x = 2 ( vv₀ - v₀²) + (v - v₀)² ( 両辺を 2 a 倍 )
2 ( vv₀ - v₀²) + (v - v₀)² = [ ]
2 vv₀ - 2 v₀² + ( [ ] ) = 2 a x ( 展開 )
v² - v₀² = 2 a x
導けた。 ( これは、a = 0 でも成り立つ )
文字式計算 (中2) 、
等式変形 (中2) 、
1文字消去するために加減法や代入法を使う:連立方程式 (中2) 、
展開 (中3)
などの計算力があれば、
丸覚えしなくても
① と ②より、③ 速度 と 変位の関係式は導けます。
勉強は、ある知識が、他のいくつかの知識に基づいて成り立っていることを体験・経験できるものです。
テストで点数をとるために、テストに出そうなことを覚えるだけのものではありません。
考えず、導かず、ただ覚えてばっかりだと、貴重な体験・経験はできません。
次回 『 速さの公式は使えるように 14 』 につづきます。