ひき算の概念 19 「変化」
ひき算の概念 8 , 9 , 10 について
タイプ 1⃣ , 2⃣ の (1) で 何を学ぶのか?
ひとつは、
2つの数を取り出して、
それらを足す、あるいは、大きい方から小さい方を引くことを。
もう一つは、
1つの事態を把握し、操作し、操作後の事態を把握するという構造を。
後者を学ぶのであれば、
1 操作により、事態を変化させることができること
1 時間の流れとともに事態が操作前から操作後へと変化すること
を理解できる、小1・2の算数の文章題から。( おはじきを使うことから。)
前 事態 → 操作 → 後 事態
3 + 2 = 5
+ 2 = 5 - 3
5 - 3 = 2
- 3 = 2 - 5
(前事態) + (操作) = (後事態)
(操作) = (後事態) - (前事態)
以上より、
(操作による変化) = (操作後の数値) - (操作前の数値)
【 物理の力学では 】
(前運動エネルギー) + (仕事) = (後運動エネルギー)
(仕事) = (後運動エネルギー) - (前運動エネルギー)
物体に仕事をすると、運動エネルギーが変化する。 Fx = (1/2) m v₂² - (1/2) m v₁²
(前運動量) + (力積) = (後運動量)
(力積) = (後運動量) - (前運動量)
物体に力積を与えると、運動量が変化する。 Ft = m v₂ - m v₁
( 速度を変えるには、力だけでなく、力積が必要。)
変化は、時間の流れにのっておこる。( 過去 → 現在 → 未来 : 時間の流れは不可逆的 )
だから、
変化の基準は、操作以前の数値。
よって、
操作による変化は、以後の数値 から 以前の数値を ひく。
ゆえに、
変化をとらえるには、
1 前後 2つの数値 を把握する
2 前の数値を基準にして差の式をつくる
(3 ひき算の計算をする )
問い10
ある[名誉教授] が、投薬を変更したため、
高血圧症患者の血圧は、140 mmHg から 175 mmHg に変化した。
その[名誉教授] は、血圧をいくつ下げたのか、あるいはいくつ上げたのか?
医者の中には、
小・中・高、そして大学の医学部で学び、
医師国家試験に合格し、研修医時代を経て、
医師として経験を積んできても、
「 何らかの操作をすれば、状態・状況を変化させてしまう可能性がある。」 ことを
覚えない・覚えられない者もいる。[ ドクターM ]や[ 名誉教授 ]のように。
次回 ひき算の概念 20 「やぶ医者」 につづきます。