『 解の公式は導くもの 7 』
○ ( 補講 『 解の公式は導くもの 6 』 の宿題 )の解答
① ( エ ) ② ( ウ ) ③ ( エ ) ④ ( キ ) ⑤ ( オ ) ⑥ ( キ ) ⑦ ( カ ) ⑧ ( オ ) ⑨ ( カ )
「 ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] のとき、
x = { -b ±√( b²-4ac ) } / 2a である。」 の意味は、
「 x = { -b ±√( b²-4ac ) } / 2a の部分 ( b²-4ac ) は、
ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] の { 解の個数 } と { 解の種類 } を決める。」 である。
よって、
部分 ( b²-4ac ) が 正のとき、0 のとき、負のとき と3つの場合分けすると、
ⅰ) b²-4ac = 0 のとき、
ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] は、1つの実数解 すなわち 重解 をもつ。
その解は、x = -b / 2a である。
ⅱ) b²-4ac > 0 のとき、
ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] は、異なる2つの実数解 をもつ。
その解は、x = { -b ±√(b²-4ac) } / 2a である。
ⅲ) b²-4ac < 0 のとき、
ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] は、( 共役な異なる2つの ) 虚数解をもつ。( 中3数学では、解なし )
その解は、
虚数単位 i ( i =√-1 ) を使って表すと、x = { -b ±√(4ac-b²) i } / 2a である。
つまり、
b²-4ac = 0 は、
ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] が重解をもつための必要十分条件である。
b²-4ac > 0 は、
ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] が異なる2つの実数解をもつための必要十分条件である。
b²-4ac < 0 は、
ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] が (共役な異なる2つの) 虚数解をもつための必要十分条件である。
解の公式の意味 ( 解の公式が表現していること ) を考えることが、
{ 解と係数の関係 } や { 解の判別 } を理解するうえでとても役に立ちます。
解の公式の意味を考えずに 「解の公式」 を使い続けていると、
2次方程式などの問題に対して
「解の公式」
「解と係数の関係」
「解の判別」
を上手に使い分けることが困難になるようです。
2次方程式のさまざまな問題に対応できるように、
「解の公式」からの距離感をもつためにも
解の公式を導き、そこから派生するものを理解しましょう。
○ 公式を覚えて単に代入して使っているだけだと、他の解法が隠蔽される
ある年、指導した生徒の4人が、同じ国立大学 (同じ学部) の2次試験を受けました。
2人合格。
その2次試験の数学に 「 2次方程式と他の単元との融合問題 」 が出題されていました。
私は、普段から
‘ 入試で2次方程式の問題を解く場合、
解と係数の関係 や 解の判別式 を使うことも忘れずに、
反射的に 「解の公式」 を使うと完答できないことがあるよ。’
とくり返し言っています。
実際、そのような問題演習もします。
それにもかかわらず、4人とも 「解の公式」 を使って完答できなかった。
不合格の2人が、もし解と係数の関係を使っていたら、合格していたでしょう。
( センターリサーチでは
1人は、大学入試センター試験の得点で合格ボーダーを数十点越えて、2次必要偏差値 は 約50。
3人は、合格ボーダー付近に位置し、2次必要偏差値 は 約55 。)
2次試験の翌日、試験当日の状況 などについて聞きました。
「 2次方程式と他の単元との融合問題 」 について聞くやいなや、
合格することになる1人の生徒は、少しゆがんだ顔で
「 解の公式を使ったために完答できなかった問題を、家に帰ってからもう一度解いてみました。
解と係数の関係を使ったら完答できました。」 と。
もう1人の生徒は、
「 数学の試験が終ったあと、他の公立高校の人たちの1人が、仲間の人に
『 あの問題、解と係数の関係でできるよ。』 と言っているのが聞こえました。」 と さっぱりした顔で。
不合格になる2人は、その問題について、とくに表情もなく「 解の公式で途中までできました。」 と言いました。
入学試験では、緊張感 ・ 焦燥感などによって、
解答のための糸口が、なかなか見つからない場合 や まったく見つからない場合も。
また、
反射的に解き始めてしまうことにより、
問題の前提(条件)を十分に把握せず、
不完全な解答(条件を満たしていない)を記述することになる場合も。
あるいは、
解答の途中で行き詰まって、完答できない場合もあります。
( 普段から、公式を覚えて単に代入して使っているだけだと、問題の一部に対して反射的に反応し、
その公式を適切かつ適時に使えなくなる。)
入試で合格平均点をとるためには、
普段から、
問題の構造を把握しようとする。
問題の前提条件に注意する。
問題を解くことが困難なとき、
その時点で その問題 (単元) について 自分のもっている知識を確認する。
( 初学者でもないかぎり、ある単元について ある程度の知識 をもっているはずです。)
1つの解法だけで満足せず できれば別解を考える。
特に記述模試などで、完答できなくても できるかぎり部分点をかせぐことを練習しておく。
公式は導いて、覚えていること。
( 公式を導く行為は、入試記述問題を解く行為に 類似的である。また整合的である場合もある。
自分自身の持てる知識を総動員して、導く、解く。
入試記述問題そのものが、公式を導くものである ときがある。)
などが必要でしょう。
このように取り組みをする人は、多数いませんから、偏差値を上げるために、試みてください。
取り組み方により、偏差値は上がりも下がりもします。
偏差値は相対的なものですから。
多数の人(偏差値40 から 60)が手を抜くことを 手を抜かずに 行うと偏差値は高くなる場合があります。
公式を導く行為は、偏差値を上げ、高い偏差値を維持するのに役立つはずです。
○ ( 補講 『 解の公式は導くもの 7 』 の宿題 )
問題1
y = ax² + bx + c [ a ≠ 0 ] を変形して完全平方式で表すと
y = a ( x +b/2a )²-( b²-4ac ) / 4a になる。
途中の式 (3つ) を書いて導きなさい。
問題2
方程式 2 t²- (√3 + 2 ) t +√3 = 0
の2つの解が、t = sin a と t = sin b ( sin a < sin b ) のとき、次の問いに答えよ。
( ただし、 0°≦ a <360°, 0°≦ b <360°)
(1) a と b の値をそれぞれ求めよ。
(2) sin { ( a+b ) / 2 } cos { ( a-b ) / 2 } の値を求めよ。
解答は、補講 『 解の公式は導くもの 8 』に掲載します。