学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点 -125ページ目

学力の創造と向上 高校・大学受験は通過点

学力の創造と向上において
何が必要か・何が障害になるのか
などについて考えます
  さらに、必要なものをいろいろ提供してゆきます 

           『 解の公式は導くもの 7 』

○ ( 補講 『 
解の公式は導くもの 6 』 の宿題 )の解答

① ( エ )  ② ( ウ )  ③ ( エ )  ④ ( キ )  ⑤ ( オ )  ⑥ ( キ )  ⑦ ( カ )  ⑧ ( オ )  ⑨ ( カ )

 「 ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] のとき、
   x = { -±√( b²-4ac ) } / 2a である。」 の意味は、

  「 x = { -±√( b²-4ac ) } / 2a の部分 ( b²-4ac ) は、 
    ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] の { 解の個数 } と { 解の種類 } を決める。」 である。

よって、
 部分 
( b²-4ac ) が 正のとき、0 のとき、負のとき と3つの場合分けすると、

ⅰ) b²-4ac = 0 のとき、
    ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] は、1つの実数解 すなわち 重解 をもつ。

    その解は、
x = -/ 2a である。

ⅱ) 
b²-4ac > 0 のとき、
    ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] は、異なる2つの実数解 をもつ。    

    その解は、
x = { -±√(b²-4ac) } / 2a である。

ⅲ) b²-4ac < 0 のとき、
    ax² + bx + c = 0 [ a ≠ 0 ] は、( 共役な異なる2つの ) 虚数解をもつ。( 中3数学では、解なし )

      その解は、
      虚数単位 i  ( i =√-1 ) を使って表すと、
x = { -±√(4ac-b²) i  } / 2a である。

つまり、

 b²-4ac = 0  は、
  ax² + bx + c = 0 [ 
a ≠ 0 ] が重解をもつための必要十分条件である。


 b²-4ac > 0
  は、
  ax² + bx + c = 0 [ 
a ≠ 0 ] が
異なる2つの実数解をもつための必要十分条件である。

 b²-4ac < 0 
 は、
  ax² + bx + c = 0 [ 
a ≠ 0 ] が 
(共役な異なる2つの) 虚数解をもつための必要十分条件である。

解の公式の意味 ( 解の公式が表現していること ) を考えることが、
{ 解と係数の関係 } や { 解の判別 } を理解するうえでとても役に立ちます。

  解の公式の意味を考えずに 「解の公式」 を使い続けていると、
  2次方程式などの問題に対して
   「解の公式」
   「解と係数の関係」
   「解の判別」
  を上手に使い分けることが困難になるようです。

2次方程式のさまざまな問題に対応できるように、
「解の公式」からの距離感をもつためにも
解の公式を導き、そこから派生するものを理解しましょう。


○ 公式を覚えて単に代入して使っているだけだと、他の解法が隠蔽される

ある年、指導した生徒の4人が、
同じ国立大学 (同じ学部) の2次試験を受けました。
2人合格。

その
2次試験の数学に 「 2次方程式と他の単元との融合問題 」 が出題されていました。

私は、普段から
‘ 入試で
2次方程式の問題を解く場合、
 解と係数の関係 や 解の判別式 を使うことも忘れずに、
 反射的に 「解の公式」 を使うと完答できないことがあるよ。’
とくり返し言っています。
実際、そのような問題演習もします。

それにもかかわらず、4人とも 「解の公式」 を使って完答できなかった。
不合格の2人が、もし
解と係数の関係を使っていたら、合格していたでしょう。
( センターリサーチでは
 1人は、大学入試センター試験の得点で合格ボーダーを数十点越えて、2次必要偏差値 は 約50。
 3人は、合格ボーダー付近に位置し、2次必要偏差値 は 約55 )

 2次試験の翌日、試験当日の状況 などについて聞きました。
 「 2次方程式と他の単元との融合問題 」 について聞くやいなや、
 合格することになる1人の生徒は、少しゆがんだ顔で
 「 解の公式を使ったために完答できなかった問題を、家に帰ってからもう一度解いてみました。
  解と係数の関係を使ったら完答できました。」 と。
 もう1人の生徒は、
 「 数学の試験が終ったあと、他の公立高校の人たちの1人が、仲間の人に
 『 あの問題、解と係数の関係でできるよ。』 と言っているのが聞こえました。」 と さっぱりした顔で。

 不合格になる2人は、その問題について、とくに表情もなく「 解の公式で途中までできました。」 と言いました。

入学試験では、緊張感 ・ 焦燥感などによって、
 解答のための糸口が、なかなか見つからない場合 や まったく見つからない場合も。
 また、
 反射的に解き始めてしまうことにより、
  問題の前提(条件)を十分に把握せず、
  不完全な解答(条件を満たしていない)を記述することになる場合も。
  あるいは、
  解答の途中で行き詰まって、完答できない場合もあります。
   ( 普段から、公式を覚えて単に代入して使っているだけだと、問題の一部に対して反射的に反応し、
    その公式を適切かつ適時に使えなくなる。)


入試で合格平均点をとるためには、
  普段から、
   問題の構造を把握しようとする。

   問題の前提条件に注意する。

   問題を解くことが困難なとき、
   その時点で その問題 (単元) について 自分のもっている知識を確認する。
     ( 初学者でもないかぎり、ある単元について ある程度の知識 をもっているはずです。)
   1つの解法だけで満足せず できれば別解を考える。

   特に記述模試などで、完答できなくても できるかぎり部分点をかせぐことを練習しておく。

   公式は導いて、覚えていること。
     ( 公式を導く行為は、入試記述問題を解く行為に 類似的である。また整合的である場合もある。
      自分自身の持てる知識を総動員して、導く、解く。
      入試記述問題そのものが、公式を導くものである ときがある。)

などが必要でしょう。

このように取り組みをする人は、多数いませんから、偏差値を上げるために、試みてください。
取り組み方により、偏差値は上がりも下がりもします。
偏差値は相対的なものですから。
多数の人
(偏差値40 から 60)が手を抜くことを 手を抜かずに 行うと偏差値は高くなる場合があります。

公式を導く行為は、偏差値を上げ、高い偏差値を維持するのに役立つはずです。



○ ( 補講 『 
解の公式は導くもの 7 』 の宿題 )

問題1

y = ax² + bx + c 
a ≠ 0 ] を変形して完全平方式で表すと

  y = a ( x +b/2a )²-( b²-4ac ) / 4a  になる。

途中の式 (3つ) を書いて導きなさい。


問題2 

方程式  2 t²- (√3 + 2 ) t +√3 = 0
の2つの解が、t = sin a と t = sin b  ( sin a < sin b ) のとき、次の問いに答えよ。
( ただし、 0°≦ a <360°, 0°≦ b <360°)

(1)  a と b の値をそれぞれ求めよ。 

(2)   sin { ( a+b ) / 2 } cos { ( a-b ) / 2 } の値を求めよ。


解答は、
補講 『 解の公式は導くもの 8 』に掲載します。