【沖縄の風】“おわび”に終始する政府 「県内やむなし…」地元感情理解せず
産経新聞 10月18日(火)7時55分配信
この日午前、会談の場に姿を見せた仲井真知事には緊張感が漂っていた。
「名護市前市長は(移設に)賛成していたが、市長選で民主党は反対派を応援した。にもかかわらず辺野古に回帰したことに県民は怒っている」
仲井真氏は政府の姿勢をこれまでになく強い口調で批判。「海兵隊のこと(存在)はわれわれなりにわかっているが政府としての説明が欲しい。質問書を出したが回答がない。再質問も出したが返事をもらっていない」と県側が投げた質問に政府が全く反応してこなかったと強調した。
沖縄は普天間問題とは別に、新たな沖縄振興法の制定や一括交付金の創設、3千億円の確保などを求める交渉を続けている。これまでの関係閣僚と沖縄側との会談で、政府側は沖縄の要望を聞くことに終始した。沖縄側の要求に応えることで普天間問題の解決にこぎ着けたいという思惑が明らかだった。
沖縄側にも普天間問題を取引に振興資金獲得を狙う思惑が垣間見ることができるが、ある保守系地方議員は「リンクしていると考えるのは常識だが、仮に沖縄の要望が受け入れられても基地問題は解決しない。政府は問題の本質を分かっていない」と話す。
本質とは何か?
知事側近は「知事は本音では辺野古案以外にはないと考えている。県民にも辺野古移設は仕方がないと考えている容認派も多い」と話す。
別の地方議員も「早急に普天間の危険を除去するために辺野古に移したい-というのが知事の本音だ」と指摘。その上で「県外移設を訴えて知事選に再選した以上、簡単には振り上げた拳をおろせない。知事は辺野古回帰の理由を説明するようメッセージを送っているが政府には真意が伝わらない」と不満をもらす。
県幹部の一人は「政府はどの自治体に打診したのか、反応はどうだったのかなど説明し、けじめをつけるべきだ。辺野古に回帰した経緯を論理的に説明しないと前に進まない」と補足する。
条件付き受け入れの姿勢を崩していない辺野古の容認派住民の声を忖度(そんたく)せず、県側を説得する努力を怠る。沖縄の思いを尊重するといいながら、頭越しに移設を強行しようとする政府。移設賛成派の中にも「国家統一の危機だ」と「独立論」の台頭を危惧、沖縄県民の誇りを背景に不信感が広がっている