昨年末放送された「第72回NHK紅白歌合戦」第2部の視聴率が34.3%と、歴代最低であったことが判明した。


しかし、この数字を高いと見るか低いと見るかである。

近年はテレビの視聴形態の変化などにより視聴率の変化も変わり、「総合視聴率」「個人視聴率」「ターゲット別視聴率」などいろいろな数字を算出するようになった。
その中で総合で30%超え、個人でも24%台を出したのは快挙であろう。

しかも、先に挙げた記事のなかで

番組は同時・見逃し配信サービス「NHKプラス」でも生配信(今月7日まで見逃し配信)。スマートフォン・タブレット・パソコンからの視聴が増えた可能性もある。今回の紅白実施本部長・杉山賢治氏は「今回も地上波のみならず、BS4K、BS8K、ラジオ、そして第71回から開始したNHKプラス、多彩な接し方で紅白を楽しんでいただいたと思っております」とコメントした。

とスタッフが話している。今回の紅白のテーマ「カラフル」にかけて、視聴方法もカラフルだったわけだ。
今回の数字的な結果だけを受けて、紅白が迷走することだけはやめてもらいたいと願っている。

ただ、紅白歌合戦を視聴していて気になったことがいくつかあったので書いていこうと思う。

①演奏時間が短い
これは特に前半戦に出場した歌手に言えることだ。一番だけの歌唱だったり前奏・アウトロカット、普段の歌番組なら2コーラス歌えるのに1ハーフしか歌わせてもらえない歌手も目立った。
紅・白両軍が連続して登場するいわゆる“曲つなぎ”が今回は多かったから、もう少し尺を延ばせたのではないかと思うと残念だ。

②優勝旗授与がなかった
今回は、ゲスト審査員の勝敗で1票、会場観覧の勝敗で1票、視聴者審査員の勝敗で1票の合計3票で勝敗が決まった。

その結果2年連続の紅組優勝が決まった。
今年は、司会者に白組、紅組の別を設けず「司会者」という扱いだったため、どちらが勝っても優勝旗はもらわない予定だったらしい。
しかしながら、歌手は紅・白どちらかの組に属するのは変わらなかったのだから栄誉を称えることくらいやっても罰は当たらないだろう。
紅白の裏でやっている、男女関係なく紅白に分かれて対決する年越し番組でも優勝旗は登場するぞ。
昭和の紅白、平成の紅白ではその年にヒットしたNHKのドラマのキャストや出場歌手から「チームリーダー」が選ばれることがあった。あの「仮面ライダー!」の時の加山雄三がそれだ。

司会が紅白に分かれていないのなら組に属する人間が優勝旗を受けとる仕組みができないかな、というのが目下の課題だ。優勝旗のないエンディングは何か物足りない。