<アルバニア基本情報>
ヨーロッパ東南部、バルカン半島西部のアドリア海に面した小国。
〔地勢〕

 北部の山岳地帯、アドリア海沿いの平野部、その中間の丘陵・高原地帯に3分される。


北部 ……標高1500~2500mの山脈・高原。モンテネグロとの国境には最高峰イェゼルツェ山 (2692m) や、バルカン最大のシュコダル (Shkoder) 湖がある。山は森林で覆われているが、標高1500~1800mの高原地帯は草原で、夏の放牧に利用される。
東部……三つの山脈が南北に平行。マケドニア、ギリシアとの国境近くには、オフリト湖、プレスパ湖、コルチャ (Korce) 台地などがある。
最南端……ギリシア国境からブロラに至る海岸は風光明美・気候温暖。オフリト湖から流れるドリン川などの河川はアドリア海に注ぐ。
平野部……ティラナ周辺、北部のシュコダル湖南部の平野は肥沃で、人口密度も高い。
〔首都〕 ティラナ (Tirane) (住民約50万人)
〔面積〕 2万8748km2
〔人口〕 約340万人 (2000年頃)
〔宗教〕 人口の7割程度がイスラム教、2割がギリシア正教、1割がカトリック


〔住民〕
 住民はアルバニア語を話すアルバニア人で、古代イリュリア人の末裔とされるが、言語学的には根拠に乏しい。
 アルバニア語はインド=ヨーロッパ語族に属し、独立の一語派を形成する (アルバニア語派)。動詞の人称変化、時制組織などに古いインド=ヨーロッパ語の特徴が残るが、国家・民族の複雑な歴史を反映して、ギリシア語、イタリック (ラテン) 諸語、トルコ語などからの借用語が多い。特にイタリック系諸語からの借用語は、全語彙の過半を占める。
 首都ティラナ付近を境に、北方のゲグ (Geg) 方言と、中央・南方のトスク (Tosk) 方言に分かれる。北のゲグ方言には五つの鼻母音があり、母音に長短の区別があるが、南にはない。
 文字はラテン・アルファベットを使用。
 アルバニア人は国外にも、セルビア人のコソヴォ自治州に住む125万人を筆頭に、マケドニア、ギリシア、トルコ、イタリア南部に総計150万人ほど住む。このうち南イタリアとギリシアのアルバニア人は、古い南方言 (トスク方言) を話す。

<アルバニアの魅力>

ほんの10数年前まで「鎖国」状態にあったアルバニアに観光客が訪れるようになったのは、最近のことです。そんなアルバニアは、周辺から孤立した山がちな地形であるとも相俟って、「ヨーロッパ最後の秘境」と言われ、のんびりとした古きよきヨーロッパの田舎の雰囲気が残っています。移動中のバスの車窓から眺める景色は本当に長閑なものです。羊や山羊の群れに遭遇することもしばしば。

そして、豊かな自然や温暖な気候もその魅力の一つです。

国土の西側はアドリア海とイオニア海に面しているアルバニアは、450kmにも及ぶ長い海岸線があります。「アルバニアのリビエラ」と呼ばれるこの細長い海岸地域は、陽光溢れる温暖な気候で、ヨーロッパからのリゾート客を魅了します。

一方、内陸の高地には、ジーロカストラやベラットなど伝統的な山間の町や素朴な村が点在します。

ギリシア時代からの都市遺跡であるアポロニア遺跡やブトリント遺跡などの未だ知られざる古代遺跡も観光客に人気のスポットです。