先週の日経土曜版に

”親子で読み継ぎたい平和の絵本10選 戦後80年の節目に”

というタイトルの特集が載っていました。

紹介されていたのは10冊を恥ずかしながら私はどれも

読んだことがありませんでした。

この時期だからこそ、そこに並んだ本を読んでみれば

自分の中にも何か思うところが生まれるのではないかと思い

図書館に向かい、すぐに借りられる本を探し、

3冊を選びました。

『へいわってどんなこと?』 浜田桂子さん
『字のないはがき』 向田邦子さん原作 角田光代さん文 西加奈子さん絵
『世界で一番貧しい大統領のスピーチ』 くさばよしみさん編 中川学さん絵

 

『へいわってどんなこと?』は、平和を当たり前のものとしてではなく、

ひとつひとつの行動や思いの積み重ねとして描かれていました。

ページをめくるたびに

子どもたちの表情や日常の描写にじんわりと温かさを感じながらも

それが壊れてしまう場面を想像すると胸が詰まりました。

特に絵の色使いが印象的で、悲しい場面は黒っぽく、

幸せを想像している場面はカラフルになっていたのを見て、

あ、心の中も同じだと思ったのです。

カラフルな感情は幸せであり、平和なんだなと感じました。

『字のないはがき』は、向田邦子さんの原作らしい、

淡々としながらも深く響く物語。

家族と離れて疎開することになった小さい妹(=向田さんの実妹)に

お父さんは宛名を書いたたくさんのはがきを託しました。

元気なら〇を書いて送りなさいと持たせたはがき。

しばらく届いていたはがきもだんだんと丸が小さくなり、

ついには郵送が途絶え、体調が悪くなっていることを後に知ります。

字が書けない小さな妹はそのはがきに〇を一つだけ描き送り続けていました。

その大きさや形から疎開先での様子が伝わり、

家族全員が妹を愛おしく思う気持ちまで浮かんできました。

なんとも言えない、胸の奥をぎゅっと掴まれるような感覚が残る本でした。

『世界で一番貧しい大統領のスピーチ』はウルグアイの元大統領、

ホセ・ムヒカさんが国連で行った有名なスピーチを絵本にしたものです。

豊かさを目指すことで多くの資源を失い心も疲弊していく現実。

私たちは何を目指すべきなのか、と強く問いかけます。

私たちがよりよい生活をするためにたたかうとき」を忘れては

ならないという言葉は

自分の暮らしぶりをあらためて見直さずにはいられない力がありました。

 

大人になって読む絵本は言葉の深さが胸に沁みるとは意外な体験でした。

絵から伝わるものもこれまでの経験を通して想像力が広がるからか

登場人物の気持ちや細かい描写の意味を

より深く受け取れるようになった気がします。

文量はあっという間に読み終えられるほどなのに

ページをゆっくりとめくって味わいたくなるのです。

特に戦争に関する絵本であれば今の日常が

どれほど貴重であるか、

当たり前がどれほどありがたいことかを思い知らされます。

あることが難しいから有難い」という言葉を思い出します。

日常のひとつひとつを愛おしく感じないと罰が当たりそうな、

そんな気持ちになった時間でした。