厳しい暑さが続いていて

夜になってもなかなか気温が下がりません。
寝苦しさに耐えかねて昨夜も寝る前に窓を少しだけ開けて網戸にしました。

すると外から虫の声が聞こえてきて、

思わず耳を澄ませました。

この暑さの中でも虫たちはちゃんと

季節の移ろいを感じ取っているようです。

夏の真ん中を歩いているような感覚でいたのに、

もう秋の入り口が始まっているのかもしれない。

そんなことを思うと少し不思議で

少しだけ置いていかれたような気もしました。

虫の声はただの「音」ではなくて、

じっと聞いているとだんだんリズムに変わっていきます。

ある一定の場所からは「ツクチャーツクチャー」と

まるでドラムのハイハットのような小気味よい

テンポが聞こえてきて

頭の中で軽やかな音楽が鳴りはじめました。

思いがけず楽しい気分になって

いつのまにか暑さを忘れていました。

そういえば子どもの頃、夜に外から聞こえる虫の声が好きで

網戸越しにずっと聞いていたことを思い出しました。

涼しい風と一緒に少しだけ秋の匂いが混じっていた気がします。

あの頃の夜はもっと静かでもっと広かったような気がします。

けれど今夜はまだ蒸し暑いままで扇風機を切る勇気は出ません。
虫たちの世界では確かに季節が少しずつ進んでいるのに

私のまわりはまだ夏のまま。
それでもこうして虫の声を聞いていると

季節はちゃんと動いているんだなと思えました。
まだまだと思いながらも秋はきっと

少しずつ近づいてきているのかもしれないです。