この本を読みたいと思ったきっかけを
正直、はっきり覚えていません。
メモにタイトルだけが残っていて
なぜ興味を持ったのか
当時の自分の気持ちがまったく思い出せません。
ですが本を手に取り「須王フローラさん」という著者名と
「エネルギー哲学者」という肩書きを見た時
少し戸惑いました。
私はこの本にどんな期待をしていたんだろう?
そんな思いを抱きながらどこか疑い半分でページをめくり始めました。
恐らくですがお花に囲まれた穏やかな生活の提案や
癒しを感じるような写真がちりばめられた
ちょっとしたエッセイ集のようなものを想像していたのかもしれません。
ところが、冒頭で目に飛び込んできたのは、
「お金があるから幸せなのではなく、幸せだからお金持ちなのです」
という一文でした。
その時点で「選ぶ本を間違えたかも・・・」という気持ちが
湧き上がったのは正直なところです。
私自身「お金」について語ることにどこか抵抗がある人間です。
それは育った環境や世代的な価値観の影響もあるかもしれません。
でも読み進めるうちに少しずつ
その「お金持ち」という言葉が指しているものの
本質が見えてきました。
それは単に「お金がたくさんある状態」ではなく
お金に振り回されず自分にとってちょうどいい
「生き方」を見つけていくこと。
私なりの言葉で表すなら「心の余裕」や「ゆとり」
といったものがその本質に近いのではないかと思います。
お金を追いかけるのではなくお金と自然に共に在る。
そのような感覚をもって自分が心から「よい」と思えるものを選び、
自分に必要なものを必要なだけ受け取りながら豊かに生きていく。
この本は、そんなメッセージを伝えてくれていた気がします。
印象的だったのは
「この世は見える世界が5%、目に見えない世界が95%」
という言葉でした。
私たちがふだん目にしている現実はほんの一部で
もっと広い視点で世界をとらえたときに
見えてくるものがあるのかもしれません。
そう考えるとただそこにあるだけで心がほっとする「お花」は
自然とのつながりを感じさせてくれる存在であり
そのエネルギーを象徴的に表しているのだと感じました。
須王さんは“エネルギー哲学者”と名乗られていますが
この本は決して「お金の増やし方」や「人生の正解」を
教えてくれるハウツー本ではありません。
むしろ読者である私たち一人ひとりが
自分の理解の範囲でできることから少しずつ始めていく・・・
そんなふうに「自分の生きる世界」を
広げていけるよう背中を押してくれる一冊でした。
ちなみに「お金持ち」という言葉には最後まで
少しだけ抵抗感が残りました。
けれど物質はあくまでこの世界の一部にすぎず、
たまたま目に見えているものが「現実」なのだという視点は、
以前読んだ『夢をかなえるゾウ』の中の「命」の
話とも重なるように感じました。
つい先日も些細なことでモヤモヤした気持ちになったり
自分の心の小さな引っかかりに長くとらわれていた記事を
書いたところですが、この本を通して
「その感情を無視するのではなく、ちゃんと受け止めること」
「そして、そこから視線を少し上に上げてみること」
そんなことを改めて意識するようになりました。
「何をどれだけ持っているか」よりも
「自分がどう在りたいか」に目を向けることの大切さを
この本を通して改めて思い出すことができました。