課題

頂いたデータを次の3国「日本・スウェーデン(高福祉国)・韓国(日本サイドからその経済運営について批判が多い)」に絞って比較検討してみた。

日本の長期経済停滞の原因を、消費税増税にあると聞かされてきたが、スウェーデンとの比較において、主な環境の違いは何なのか。いや、税制健全化を主張する論説の中で、スウェーデン(の消費税率)を見よ、とよく言われるので、この点を確り説明する必要があるのではないかと感じている。

 

考察

1.   日本の場合、政府支出がさほど伸びていない(111.0%)のに、政府総負債が大きく伸び(222.3%)ている。

2.  韓国は、IMFの管理下にあった1997年には、政府支出(GDP比14.7%)及び政府総負債(GDP比10.2%)を抑えられていたが、2016年には総負債伸び率(1205.3%)と高い。結果的にGDPが拡大した。日本サイドからの批判はここでは当たらない。つまり、日本との比較において、優等生と言える。

 

国名

1997

2016

GDP伸び率

政府支出伸び率

GDP

政府支出

GDP

政府支出

日本

534,143

178,214

33.4%

537,061

197,777

36.8%

100.5%

111.0%

スウェーデン

2,019

1,179

58.4%

4,375

2,126

48.6%

216.7%

180.3%

韓国

530,347

77,765

14.7%

1,637,421

339,236

20.7%

308.7%

436.2%

国名

GDP

政府総負債

GDP

政府総負債

総負債伸び率

 
 

日本

534,143

569,805

106.7%

537,061

1,266,722

235.9%

222.3%

 

スウェーデン

2,019

1,380

68.4%

4,375

1,858

42.5%

134.6%

 

韓国

530,347

54,335

10.2%

1,637,421

654,900

40.0%

1205.3%

 

 

単純な疑問

1.   スウェーデンは高福祉国家を証明するように、政府支出の割合が高い(58.4%/‘97、48.6%・’16)が政府総負債が他より低い(134.6%)。主因は?

2.  政府支出の伸びによって3国ともGDPを伸長させるブースターとなっているが、影響度はスウェーデンが高い(120.2%)。主因は?